中学入試の本番、会場である学校には各塾の先生たちが「応援」として駆け付けます。
校門の前に並び。受験生たちに最後の激励をします。
有名校の校門前には名のある塾の関係者が列を作り、あの異様な光景は一種名物ともなっていました。
その光景が今年はなくなる可能性が高くなりました。
新型コロナウイルスのことがあり、応援の自粛要請が学校から続々と出されています。
例年学校敷地内での応援を許可していた学校は今年は禁止し、公道上での応援についても慎むようにアナウンスする学校が増えています。
(学校の敷地が広く密を回避できる学校は、例年通りとしている所もあります)
例えば開成中学は
入試当日の応援ならび見学について
HP上において、「応援・見学は厳に慎んでいただきますよう」としています。
入試に臨む前最後にお世話になった先生たちと一声交わして、元気をもらって、また不安な心を落ち着けたいという気持ちは分かります。
しかし近年の入試応援の現場は明らかに加熱しすぎていました。
学校の門の前にものすごい数の人の壁があり、大人の私でも圧倒される光景です。
時には100名以上の講師が受験生が歩いてくる方向を向いて待ち構えているのです。
受験前の繊細な気持ちの小学生の中には、気持ちがかき乱されてしまう子もいるのではないでしょうか。
また受験生の応援という目的を逸脱し、塾の名前を売る宣伝目的として応援を利用していた塾もあるように思えます。
(取材に来ているテレビカメラに映ることや、下見に来ている5年生にアピールする目的など)
受験生の晴れの舞台をこうした示威行為に使われてしまうのは……なんともしっくりこない気持ちになります。
今年は新型コロナウイルスの影響により、こうした光景がなくなるでしょう。
静かな環境で、感染の心配を少しでも減らし、心穏やかに入試会場に入ってもらいたいと思います。
入試直前期の心の揺れ動きについてはまた直前期に記事を書きます。
悔いのない入試にできるよう、全力で頑張ってください。