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塾業界・家庭教師業界

個別指導の学生講師に期待して良い事・悪い事

近年では個別指導塾が増え続けています。

個別指導塾講師のメインは学生さんです。
学生講師には強みもありますが、弱点も多く抱えています。

今回の記事で「学生講師」という言葉を使う際には、一般的なレベルの先生を想定して書いています。
一方で、極稀にスーパー学生講師もいます。学生でありながら非常に高い指導力を持った先生です。こうした例外は一旦除外して考えてください。

記事の結論としては
学生の先生には良い点もあるが苦手領域もある→足りない部分は家庭がサポート。どこを補えばよいか知って賢く使おう!
という流れです。

詳しく解説していきます。

学生講師とは?

個別指導塾では、学生講師を雇うのが当たり前です。

中学受験における個別指導塾とは、例えば以下のようなところが挙げられます。
サピックス傘下のプリバート。早稲アカの個別進学館。日能研のユリウス。栄光のビザビ。
独立系ですと、TOMAS(リソー)や東京個別(ベネッセ)などです。

これらの塾は、校舎長などベテランの先生と、経験の浅い学生の先生が混在しています。
学生の先生にも良い点悪い点があります。

なお、M光義塾などは論外なのでここでは語りません。
M光義塾を中学受験対策の個別指導塾としては役に立たないでしょう。
M光義塾は「監視付き自習室」です。

一方で、プロ講師専門の個別指導塾と言うものも存在します。
1時間あたりの指導料が1万円を超えるような塾がこれに当たります。(算田が以前在籍していた個別塾もこの手の塾です)
今回はこれらの塾も除いて考えます。

学生講師に期待して良い事

問題の解説

問題の解き方を普通に解説することだけなら、学生の先生でも結構出来ます。
一般的な解き方を示してもらって分かるお子様であれば、とても有効に使えるでしょう。

集団塾と違って、生徒の理解スピードに合わせて話すことができるので、理解がゆっくりのお子様には特に役立つでしょう。

勉強時間の確保

自宅にいても勉強しないので、個別塾に送り込んで勉強させる、という使い方でも有効です。
保護者の方がお仕事で忙しいなど、勉強を見ていてあげることが出来ない状況も多いと思います。
分からない問題があればすぐに先生に聞けますので効率が良いです。

学生講師に期待してはいけない事

長期的な指導計画、個別のみで受験する生徒の指導

数か月単位の計画を立てて指導することは、経験不足の先生にとっては難しい事です。
年間を通して受験生を指導した経験が乏しいと、どの時期にどんなことをすれば入試に間に合うのかと言った感覚が掴めません。

大手塾の授業ペースに沿ってフォローする使い方であればそこまで不都合も出ませんが、しかし個別塾へ通わせる理由としては大手塾のペースについて行けないから個別に通うというケースが多いでしょう。
大きく出遅れてしまっている生徒さんですと、集団塾のカリキュラムは無視して大胆な基礎固めをした方が良いケースが多いです。(例えば6年生の生徒だが5年の内容から復習する。といったような)

しかし学生の先生にそこまで独自のカリキュラムを組む力はありません
個別塾の謳い文句では「複数担任制でサポート!」とか書いてありますが、それは嘘です。サポートなんてあって無きが如しです。
唯一のサポートはクレーム対応を室長が代わりにやってくれるだけです。(学生を矢面に立たせるわけにはいきませんから)

宿題出し

適切な宿題を出すというのは、意外と技術が必要です。
学生の先生であれば「授業でやった問題を解きなおしておいてね」が言えれば及第点かと思います。
もしも「授業では予習シリーズの問題を解いたから、演習問題集でここの数値換え問題を解いておいてね」まで言える先生だったら大当たりです。

中学受験を専業でやっている先生であれば、例えば6年上で学習した単元の関連問題を5年下のテキストから選んでくれたりするでしょう。
どの問題集にどんな問題があるのか把握している先生であればすぐに出来ますが、アルバイトの先生にそこまで求めるのは酷でしょう。

平均値から大きく外れた生徒の指導

良くも悪くも平均から大きく外れた生徒の指導は難しいです。
成績が超高いor超低い生徒に教えるのはワザが必要です。

成績が高すぎる生徒の指導が難しいのは、想像がつきやすいでしょう。
生徒の思考が早すぎて学生の先生がついて行けない事態になってしまいます。
(東大の先生などであれば対応可能なケースもあります)

反対に成績が低すぎる生徒の指導も非常に難しいです。
「なんでこんな問題も分からないの?状態」が発生するからです。

頭の良い先生にとって想像も出来ないような初歩的な所で躓いているので、「何で理解してくれないのかサッパリ分からん!」となってしまいます。

鉄棒の指導に喩えてみましょう。
先生「逆上がりっていうのはな、脚を勢いよく蹴り上げて、腕を体にグッと引き付けてそのまま勢いで回るんだ!」
生徒「先生!全然できません!言われた通りやってるけど、地面に落ちてしまいます!」
先生「なぜだ……」

と思ったら、なんと生徒が鉄棒を握っていなかった! そりゃー鉄棒を握らずに足を蹴り上げたらそのまま体が落下するに決まっている……
というような事がよく起こります!

冗談ではなく、本当にこのくらいの事があります。
そこかぁ!そこが分からんかったのか! と思う事しきりです。指導者も日々勉強です。

 

おまけ 1:1か1:2か? プロの感覚からすると圧倒的に1:1だが……

個別指導塾の中には、完全1:1の塾と、先生一人に対して生徒が二人つく場合など様々な形態があります。
どの形態が最も効果的なのでしょうか?

プロの感覚からすれば、圧倒的に1:1

1:1の方が伸びるというだけでなく、コストパフォーマンスの観点1:1の方が効果的だと思います。

1:2は、1:1の半分以下の指導効果です。半分じゃないです。半分以下です。
極稀に、スーパーマンのような超人講師がやると1:2でも1:1の50%や、55%の指導効率を出せる場合もあります。
体感値で恐縮ですが、55%の指導効率を出せたら奇跡です。
超人講師がやったとしても50%か55%が限界です。

1:2の指導料金は、大体の場合1:1の半分よりは割高になっているかと思います。

そもそもの質が低いなら、1:2でも変わらないかも?

直接経験したことがないので確たることは言えませんが、そもそもの質が低い講師であれば、1:1でも1:2でも大差ないかもしれません。
その場合は料金が安い分だけ1:2の方がお得です。

「質が低い」とは、例えばこんな感じです。
・生徒が解いている間はボーっと待つだけ。
・解き終わったら解答冊子を見ながら答え合わせ
・間違っていたら解説を読みながら解き方をノートの書いて説明する。

この程度の指導なのであれば、1:2でも1:1でも効果に大差はないでしょう。

プロの指導とは、生徒が解いている間もどこで間違っているのか、どこで勘違いが起きているのか常に分析を続けます。
指導も、ただ漫然と解説するわけではありません。
時には大胆に基礎に戻って確認してから問題の解説に入ったりします。

こうした指導をしない講師なのであれば、1:2でも良いかもしれません。
すぐに質問できる自習室としての使い方であれば、1:2の方がお得でしょう。

まとめ:学生講師が苦手な分野は家庭やプロのサポートを

学生講師は「上手に使う」がコツです。
丸投げは危険です。
家庭側がある程度コントロールして、うまく学生講師の力を引き出す必要があります。

学生講師には苦手としている領域があります。

学生さんに期待してはいけない領域まで全てお任せにしてしまうと、思うように結果が出ません。
学生さんの得意不得意を把握して、不得意領域については家庭のサポートか、外部のプロの力を借りるようにしてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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