算田の母校である、麻布中学・高校であったエピソードをご紹介します。
同級生が私服警官に捕まって麻布警察署に連れていかれたエピソードです。
※算田自身は当事者ではないため伝聞情報です。細部は事実と異なる可能性があることをご了承ください。
麻布中学・高校は港区麻布に校舎を構えます。
そして校舎のすぐ裏には中国大使館があります。
さて、事件が起きたのは、ちょうど当時の中国政府の超要人が来日していた時です。
中国大使館周辺は大量の制服警官と私服警官であふれる超厳戒態勢が敷かれていました。
当然ながら麻布高校の周辺も物々しい雰囲気となっており、警備の警察官が険しい顔をしている横で麻布生がコンビニで買い食いをしているというシュールな光景が繰り広げられていました。
そんな時、事件が起きました。
2名の麻布生が、コスプレをして学校の敷地内を歩いていたのです。
それがどんなコスプレだったかというと……
まずヘルメットを被っていました。
そのヘルメットには手作りのデコレーションが施されていました。
ガムテープを切り張りした文字で「革マ〇派」と……
そして小脇には、茶色い油紙に、校庭の黒土を棒状に丸めて詰め、それに空の電池パックとリード線をつなげたものを抱えていました。
(遠目には何か危険物のように見えたことでしょう)
そんなコスプレをした麻布生が学校の敷地内を歩いていたのです。
するとたまたま校門の前を通りがかった私服警察官と目が合ったそうです。
警官が猛ダッシュで校内に突入して来て、コスプレをしていた麻布生を2名、麻布警察署に連行していったそうです。
その後詳細は分かりませんが、中国語の分かる教員2名(漢文の先生と世界史の先生)が麻布警察署まで迎えに行き、無事に帰宅することが出来たそうです。
さて話は変わりますが、麻布高校の卒業アルバムには、自由なグループで写真を撮って掲載することが出来ます。
例えば「よく教室でトランプをした仲間」でも良いですし「6年間同じクラスだった人」のような、何か面白いくくりで記念写真を撮れます。
件のコスプレをした2名の麻布生と救出に来てくれた2名の教員は、卒業アルバムに「申し訳ありませんでした!」というようなタイトルで一緒に写真に収まっていました。
なかなかセンスのある良いグループ写真だったと思います。
さてさて、私が在学していた中で起きたエピソードの中でも有数の「面白エピソード」だと思うのですが、この話を友人にした際に聞かれたのは「え、その生徒は退学にならなかったの?」です。
元麻布生の感覚からすると「え、このくらいじゃ退学にはならないでしょ」と思うのですが、どうやら一般的な感覚ではそうではないことが多いようです。
他人に迷惑をかけるのは極力避けるべきですが、それでも生徒の失敗を許す風土がある事も含めて「自由な校風」と言われる所以なのではないかと思います。
今は当時とは雰囲気が変わっているところもあるかもしれませんが、校風の一端を知る助けになれば幸いです。