図を書かない子には二つの原因があります。
①図の書き方が下手(技術的に問題)
②図を書かなくても解けると思っている(心理的問題)
ここでは、②の心理的問題の方について解説していきます。
①の図の書き方(技術的問題)についてどんな指導をしているかは以下の記事などが参考になると思います。食塩水のてんびん図の書き方を解説した記事です。
機械的な作図だけではなく、図の意味も含めて指導します。
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参考食塩水の「てんびん図」って何だ!?なんで濃度がてんびんで解けるの??
今回は食塩水の濃度計算を、てんびん図を使って解く方法を解説します。 食塩水の問題で登場する図というと、ビーカー図(コップの形をした枠の中に、%、食塩水の重さ、食塩の重さの3つの情報を書き込むもの)と面 ...
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指導者が「うがぁ!長い!分からん!」と叫んでみる
授業で問題の説明をする際に、まずは生徒と一緒に問題を読みます。
その際に、算田が「なんじゃこの問題文は!長い!訳わからん!図じゃ!!!!」と叫んでみるようにしています。
算数を教える立場の人だって、図が無ければ何を言っているのか把握できないものです。
例えばこんな感じです。
「さて次の問題だ。」「AさんとBさんが駅に行きます。駅からAさんの家までの道のりは、駅からBさんの家までの道のりより480m長いです。Bさんは毎分70mの速さで家を出発し、Aさんは毎分100mの速さでBさんより4分30秒遅れて出発しました。途中、中学校の正門前で……
うがぁ!!何のこっちゃ分からん!!!図じゃ!!!
こんな感じです。
「算数の先生」だって、図を書かなければ長い文章題が何を言っているのかは理解できません。
それを子供に印象付けるために、分からん時には分からんとアピールするようにしています。
算数が得意な人は図を書かなくても解けるのではありません。
図を書いて理解するのが上手なだけです。
小学生のよくある勘違いは「図を書くのは頭が悪いヤツだ。出来るヤツは図なんて書かなくても解けるに違いない」
「図を書けなんて言われるのは屈辱である。自分は図を書かなくても解ける!」という謎のプライドです。
まずはこの心理的な壁を壊すことが必要です。
そのためには、指導者が必要以上に超人ぶらない事が必要なのではないかと思うのです。
「あぁ、先生だって図を書かなきゃわからないのか」と思ってもらえればしめたものです。
ただ言うだけで聞き入れてもらえるなんてことは無い
「図を書くと良いよ~」なんて言うだけで子供が聞き入れてくれるなんてことはありません。
いや、聞き入れてくれる素直な子も極稀に居るのですが、まぁ普通は聞き入れません。
ここが大人や高校生に教える際との大きな違いですね。
分かりやすい指導をするという技術的な面と
指導内容を聞き入れてもらえるようにするための心理的な面と
二つの壁があるので小学生への指導は成果が出にくいと一般に言われているのだと思います。
ただ逆に言えば、この二つの壁が両方突破できれば、小学生だって大人と同じように指導の効果を出すことが出来ます。
お父様やお母様がお子様に指導される際の参考になれば幸いです。