7月というのは微妙な時期です。2月の入試まであと7か月。大人と子供の感覚の差が最も出る時期です。
大人にとっては「1月入試まであと半年しかない」ですが、子供にとっての半年とは永遠に近い時間に感じられます。
生きてきた時間が異なるので、時間間隔が全く違います。小学6年生にとっての半年は大人にとっての2年くらいの体感ではないでしょうか。
今年は休校期間もあり、モチベーションの低下が起きているご家庭も多いかと思います。
禁止していたゲームやマンガを隠れてやっていたのを発見してしまった。最近の成績低下の原因はこれか! そんな場面が目に浮かびます。
こんな時どうしたらよいのでしょうか? まずは状況を整理して、対策を考えていきましょう。
よくあること
6年生の受験生が隠れてマンガやゲームをするというのはよくあることです。というよりも、誰もが一度は通る道です。
通過儀礼のようなものだと思ってください。
保護者の方にお伝えしたいことが一つあります。
お子様が隠れて悪いことをしていたとしても、確かに悪いことなのですが、物凄く悪い訳ではないということです。
ともすると人の道に反する極悪非道な行いかのように見えてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。
受験生なら誰もが通る道です。通過儀礼です。はしかのようなものです。
怒ってはいけないの?
そんなことはありません。
お子様にどのように伝えれば最もうまく伝わるかはご家庭によって方針が異なるでしょうから、それぞれのやり方で言って聞かせてあげてください。
ただ、裏口のドアは開けた状態で叱りましょう。
裏口のドアとは、逃げ道のことです。
お子様の気持ちを受験勉強に再び向けることが目的であって、追い込んで責めることが目的ではないはずだからです。
もしも責めて潰すことが目的であれば、論理で追い込むと効果的です。
「ルールで決めたのに何で守れないの?」や「あなたが受験したいって言ったのに、どうしてやる気を出さないの?」のように、答えようがない質問形式の問いかけは、人を追い込む際に非常に有効です。相手の逃げ道を完全に塞ぎ、殲滅戦を行うときの言い方です。
「そんなんだったら受験をやめなさい」や「もう塾になんて通わせない」のように罰を課す言い方も良いでしょう。勉強したくない方向に傾きかけている心を一気に後押しします。モチベーションをどこまでも下げることができます。
繰り返しますが親の目を盗んで遊んでしまうのはこの年頃の子供ならば普通です。通過儀礼です。
こっそり遊んでいたからといって、それだけで直ちに合否に響くわけではありません。
しかしその後の対応を間違えると致命傷になります。
ここから先は誘惑を断ち切り、勉強に集中しないと合格はできません。
この先の半年で本気になれたかどうかで成績に大きな差が出ます。
お子様の気持ちが再び勉強に向くよう、追い込みすぎないように、裏口のドアを開けた状態で叱って、乗り切っていきましょう。