今年の受験生のご家庭を見ていて気になることがあります。受験校選びを本格的にやっているご家庭があまりにも少ない!
今年は新型コロナウイルス(covid-19)の影響で、そこまで気が回っていないのが実情でしょう。
そんな状況だからこそ、まだ入試まで時間があるこの時期だからこそ。学校選びはどのようにしていけば? という疑問に答えていきます。
今回のテーマは受験校の選び方です。「志望校」ではなく「受験校」です。
つまり、第二志望、第三志望の選び方はどのようにすればよいかというテーマでお話します。
「いや~まだそんな第三志望の学校なんて選ばなくても~」と思っている方にこそ読んでほしい内容です。
今年は新型コロナウイルスの影響で、現在のところ学校説明会がほぼ開催されていません。
また今後も例年のように頻繁に開催されることはないでしょう。きわめて限定的な開催になることが予想されます。
6年生の冬になって急に焦り出し、納得感の薄いままよく知らない学校の入試を受けに行く……という悲劇が例年より多発するのではないでしょうか。
こうした悲劇を避けるために、今保護者は何をしていけばよいのでしょうか?
学校選び基準の考え方や、この時期に是非やっていただきたい内容を書いていきます。
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なぜ夏から第二志望・第三志望の学校を見ておいた方が良いのか
早い時期から知っていた学校のほうが親近感がわくからです。
子供の気持ちになって想像してみてください。
6年生の秋が終わり冬が近づいてきた頃。第一志望校の過去問や塾の特訓授業で気持ちに余裕のない時期です。
ある日お父さんお母さんからこんなことを言われます。
「2月2日の午後受験なんだけど、A中学とB中学のどっちが良い?」
どうでしょうか。
どちらの中学も初めて聞く名前です。どんな学校なのか、パンフレットを見てもよく分かりません。
その上今は追い込みの時期、考える余裕はありません。
「どっちでもいいよ」
秋~冬には、子供に余裕がないのです。その時期に初めて聞く学校に、どうして親近感を持てるでしょうか?
これは避けるべき事態です。
算田から保護者の方に、今からやってほしいことを伝えます。
第三志望までの候補を複数探しておいてください。
万が一に備えて、現在の偏差値マイナス10の偏差値帯の学校まで候補を出しておいてください。
マイナス10の偏差値帯の学校から候補を選ぶことは気の進む作業ではないかもしれませんが、念には念を、今からやっておきましょう。
まだ受けるかどうかは決めていなくてかまいません。「受けるかも?」くらいで大丈夫です。
そして、お子様にその学校の名前をそれとなく伝えておいてください。
「偏差値はそれほど高くはないけれども、良い学校がある。」のように。
良い印象とともに聞いたことがある学校名であれば、入試が近づいてきた頃に
「この学校も受けてみない?」
と言われたときに
「そういえばお母さんが言っていた学校だな。一応受けてみようかな」
という前向きな気持ちになるものです。 -
第二志望・第三志望校の選び方
初めに宣言しておきますが、算田ブログでは極力「抑え」や「滑り止め」という単語は使用しません。「第二志望・第三志望」や「併願校」というような言い方を使います。これについては強く主張したいので、今後別記事を書きます。
さて、第二志望・第三志望校の選び方です。
結論から言うと、何を妥協するかの価値判断です。
第一志望校と比べると、それ以外の学校は何かが足りないと感じるはずです。
念のため申し上げておくと、偏差値は学校の優劣とは直結しません。
あくまで、そのご家庭の教育方針やお子様の性格・特性に合った学校かどうかということです。
さて、第一志望校と比べるとどこも何か見劣りしてしまうでしょうが、その中で何を妥協するのか。また何は絶対に妥協できないのか。
これをお父様お母さまの中で洗い出しておくことが必要です。
漠然とした悩みは必ず迷走します。悩むポイントを明確にして、その中で判断していかないと問題は解決しません。
下に代表的な評価軸を列挙しておきます。
進学実績重視 or 教育方針重視
校風は規律正しい or 校風は自由
伝統校 or 新興校
IT機器は積極導入 or IT機器は極力使わない
男女別学 or 男女共学
進学校 or 付属校
宗教教育の有無
通学距離
運動施設(屋内プール、テニスコート、野球グラウンドなど)
特別な部活動(スポーツの強豪校、将棋部、鉄研など)
英語教育
etc
代表的なものですとこの辺りでしょうか。
この中の条件が最も理想的な学校を第一志望とするはずです。
第二志望・第三志望の選び方は、この中から妥協できる条件を探す作業になります。
例えば下のような事例が考えられます。
- 付属校という条件は大事にしたい。距離も出来れば近い方が良いが、通学片道〇〇分までだったら条件緩和しても良い。
- 進学実績は重視したい。出来れば伝統のある学校のほうが良いが、この学校は新興の学校だがしっかりとしている。良いかもしれない。
- 中学に入ったら水泳部に入りたいので、屋内プールは絶対に欲しい。男女共学の学校のほうが良いかと思ったが、意外と男子校も合っているかもしれない。
受験校の選び方の一例です。
絶対に譲れない条件と、場合によっては妥協しても良い条件に分けて、それぞれに合う学校を探していくことが受験校選びです。
「こんなに大変なの???」と思われた保護者の方。そうです、大変なんです!ですから、精神的にも余裕のある時期からリサーチを始めておくことが重要です。
十分な納得感のないまま、大切なお子様が6年間通う学校が決まってしまうことのないよう。
親の焦りは子供に伝わります。直前期の追い込みの時期に、親が精神的に揺れることのないよう。
早い時期からしっかりとリサーチしておくことを強くお勧めします。
まとめます。
①受ける可能性のある学校の名前は、早めに子供の耳に入れておく
②絶対に重視する条件と、場合によっては妥協しても良い条件に分けて、当てはまる学校を探す。
この2点ができるだけで、他の受験生のご家庭より大きく優位に立てます。
ぜひやってみてください。
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