長い夏休みも終わり、9月になりますと6年生の最大の関心事は過去問かと思います。
過去問については、多くの塾は「〇月から始めてください」や「第〇志望の〇〇中学の過去問から始めていきましょう」というようなアナウンスを出しているかと思います。
塾や家庭教師の先生からの指示はいくつかのパターンがあります。指示内容が他のご家庭であったり、インターネット上にある情報と異なっているけど大丈夫なのか??? というような疑問が出る時期です。
今回の記事では塾の先生や家庭教師が過去問の開始時期を判断する際に何を基準としているのか? ということを、算田視点で書いていきます。
多くの先生に共通する基準としての一般論のみに絞って書いていきます。もちろん個々の事情に合わせて細かく判断しているはずですが、先生たちは大まかにこのようなことを考えている、というような参考にしてください。
開始時期のパターンは?
過去問開始時期の判断パターンは大きく分けると
「第一志望からすぐスタート」
「併願校からスタート」
「過去問の開始は秋~冬。基本問題の学習を優先」です。
※もちろん本当は一人ひとりに応じて細かく分かれます。おおまかな分類とお考え下さい。
どんな基準で判断しているの?
判断基準は「現在の学力と志望校のレベルとの離れ度合」と「志望校の問題タイプがスピード系か応用系か」
です。
つまり「今の学力で過去問を解いて、学習効果が出るか?」という点です。
入試問題を作成する先生の心理としては「きっとみんなはここまでは分かっているよね。じゃあその先の応用ができるかな?」という気持ちで作っています。
この時前提となっている「ここまでは分かっているよね」が分からない状態で入試問題を解いても学習効果が薄く、もっと力をつけてから第一志望校の過去問開始という判断になります。
第一志望校の過去問に対してある程度歯が立つレベルに達していて、解説を受ければ理解できるところまでレベルアップできていれば、過去問を通じて傾向を学ぶ学習が有効です。
一方で、過去問を解いたとしてもほとんど理解できず、解説を受けても学習効果が薄いという判断になれば、過去問の開始を遅らせてその時間で基礎力アップの学習をすることなどが考えられます。
また、第一志望の学校が出す問題のタイプによっても判断が分かれます。
難問は出さない代わりに問題数が多くスピードを要求するタイプの学校の場合は、問題自体の難易度は低いため早い時期から解くことが出来ます。
合格点を取るためにはスピードアップが課題ですが、問題自体は理解できますし解説を読めば解法も学べるので、早期に過去問スタートという判断になりやすいです。
一方で問題数は少ないが応用問題を出す学校の場合は、過去問の開始時期を遅らせる判断になりやすいです。 今回は過去問の使い方について書いていきます。 普通の使い方は、一年分の問題を時間を測って解くという方法です。学校にもよりますが、直近の5~10年分の過去問については、普通の方法で取り組めば大丈夫です。 ... 続きを見る
年度ごとにまとめて学習するというよりは、過去問を単元ごとに区切って学習するような方法が有効なケースもあります。
別記事にまとめてありますのでこちらもご覧ください。
参考過去問を問題集として使おう!
※特殊傾向の学校
麻布を筆頭に非常に特殊な傾向の問題を出す学校の場合は別判断が必要になります。
本気で逆転合格を狙う際には、別の戦略になります。非常に長くなるのでここでは割愛します。
まとめ
以上のように、お子様の学習の到達度と第一志望の学校の問題傾向によって、過去問を開始する時期が分かれます。
塾の先生や家庭教師が過去問についてアナウンスするときには、多くの方はこのような基準で判断していると思います。
他のご家庭と違う指示で心配している方がいらっしゃいましたら、参考にしてください。