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文章題苦手

割合の落とし穴。「120gの1/4を食べました」って理解できてる!?

日本語で慣用的に行われている省略が原因で、割合の文章題が分からなくなっている子がいるかも!?
そんな内容の記事です。
割合の問題がどうしても解けない、分からない。どれだけ説明しても理解できない。そんなご家庭は是非ご覧ください。

算数が得意な子にとっては「そんなの当たり前じゃん!」と流される内容ですが、苦手な子にとってはつまずきの原因となり得るポイントです。
割合を初めて勉強する4年生や5年生、遅れて受験勉強を始めた6年生を対象にしています。

割合の問題でよく出てくる表現「Aさんは持っていたお米120gの1/4を食べました。残りは何gですか?」という文章です。

この問題単体であれば
120×1/4=30 120-30=90 (又は 120×(1-1/4)=90)
という解法を憶えれば正解できるのですが、次の問題との本質的な区別がついているかどうかチェックしてみてください。

「Aさんは持っていたお米120gから、1/4gを食べました。残りは何gですか?」
この問題の答えは 120-1/4=119と3/4です。 (ブログ上で帯分数がうまく表記できないので間に「と」を入れています)

この2つの問題に潜む違いとは何なのでしょうか

数としての分数と割合としての分数

数としての分数

分数は大きく分けて二種類あると考えています。
数としての分数と、割合としての分数です。

例えば「0と1の間には”1/2”や”4/5”という数がある」や「1/2Lの水を飲んだ」というようなものです。
”数”そのものを表すための分数です。

割合としての分数

例えば「水筒の水の1/2を飲んだ」「ケーキの1/3を兄が食べた」というような場合の分数です。
これらは、1/2という数そのものではなく、「水筒の1/2」のように、水筒を基にした場合の割合を表しています。

教科書で「分数」の単元を学ぶ際に、この二つの差異を強調しないまま学習していることが多いので、ここの本質的理解が足りない場合があります。(算数が得意な子であれば、取り立てて説明しなくても自力で理解して先に進むでしょう。でも、苦手な子にとっては大きな壁になり得るのです)

省略される日本語

割合問題でつまずきの原因となりうる日本語の不思議について説明します。

冒頭の問題
「Aさんは持っていたお米120gの1/4を食べました。残りは何gですか?」
「Aさんは持っていたお米120gから、1/4gを食べました。残りは何gですか?」

について考えていきます。
説明のために、分数を整数に変えた数値替え問題を出してみます。
すると日本語表現的に不思議な変化が起きます。 どんな変化か、考えながら読んでみてください。

「Aさんは持っていたお米120gの4倍を食べました。残りは何gですか?」
「Aさんは持っていたお米120gから、4gを食べました。残りは何gですか?」

1/4の部分を4に書き換えましたが、実はもう一か所変えています。それは……
分数の方は「120gの1/4を食べました」と書きましたが
整数の方は「120gの4を食べました」と書きました。

そう!「倍」の1文字を入れたのです。もし入れなかったとすると
「Aさんは持っていたお米120gの4を食べました。残りは何gですか?」
となり不自然な文になります。(120gの4を食べるって何だよ!意味不明だよ! というツッコミが入るでしょう)

一方で、分数の方に「倍」を入れるとどうでしょうか。
「Aさんは持っていたお米120gの1/4を食べました。残りは何gですか?」
特に違和感はないですね。自然な日本語として通用します。

しかし!しかしです。整数の場合は必ず「倍」を付けるのに、分数になると日本語の慣用表現として「倍」を省略する傾向にあるのです!!

大人からすると「120gの1/4を食べた」と書かれたら「あぁ、120gの1/4倍のことね」と分かるのですが、そのお約束を知らない子供にとっては
「120gの1/4……?」とポカーンとしてしまいます。

我々大人が「120gの4を食べた」というおかしな文章を読んだ時に感じることと同じ反応です
「120gの4を食べた……?」と同じ感覚で「120gの1/4を食べた……?」と感じている子がいます。

ここは、知らない子には知識として教えてあげるべきです。

つまり、「120gの1/4」には、後ろに見えない「倍」が省略されているんだ。だから「120gの1/4倍」という意味なんだ。という事です。

これは、特に習うことなく”いつの間にか”獲得している方の多い慣用表現で、ブログ読者の保護者の方もきっとそうだったと思います。
習った記憶はないけれど、いつの間にか分かっていたことでしょう。
学校で「分数の後ろには見えない倍が隠れている」なんて教わることはきっとありません。

だからこそ、指導者には気づかれにくいつまずきポイントです。
どんなに簡単なことでも、現状で生徒が分かっていないのなら、言語化して細かく指導することが必要です。

多くの指導者が当たり前だと見過ごしてしまうところでも、分からない原因を見抜いてあげることが、算数が苦手な子の指導には一番必要です。
算数の本質的な理解のために、慣用的な文章表現は知識として教えることが必要です。
もしお子様が割合を苦手としているようでしたら、参考にしてみてください!

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