以前書いたこちらの記事の続きです!
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参考予習シリーズ4年上テキスト改訂!変更点【四谷大塚・早稲田アカデミー】
予習シリーズ4年上にテキスト改訂がありました。四谷大塚や早稲アカなどが使用しているテキストで、順次改訂していくようです。 まずは4年上に改訂があり、単元の名前や順番に大きな変更がありました。どこが変わ ...
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目次
行間が広くて読みやすくなった
解説の文章の、行と行の間の空間が広くなり、パッと見て読みやすくなりました。
新旧を並べて比べると一目瞭然で、新版の方が明らかに見やすくなっています。
その分ページ下部の余白を小さくして、情報量と読みやすさを両立させているようです。
話し言葉やよくある疑問への言及が増えた
説明の文章が柔らかくなり、生徒がよく抱く疑問が説明の中で触れられるようになりました。
たとえば「間の数を考える問題」(旧「植木算」)では、冒頭に次のような説明文があります。
予習シリーズ4年下110ページから引用
まっすぐな道にそって、20mおきに5本の木が立っています。
このとき、両はしの木は何mはなれているでしょうか。
20×5だから100m……ではありませんよ。下の図を見てみましょう、
このように、子供たちがよくやる間違いに言及した説明になっています。
改訂前の植木算の解説よりも格段に分かりやすくなったと思います!
単元の順番の変更
レイアウト面以外ですと、最も大きな変更は単元が登場する順番の変更です。
大きな影響を抽出すると
- 植木算の登場が遅くなった。(第6回→第12回)
- 植木算、周期算、等差数列の規則系単元を連続で習うようになった
- 図形系の単元が連続するようになった
順番に見ていきます。
植木算の登場が遅くなった
植木算は改訂前は第6回でしたが、改訂後は第12回と、大幅に遅くなっています。
推測ですが、植木算を早い段階で学習するのは難しいとの判断ではないでしょうか。
新4年生で受験勉強を始めたとして、2か月目あたりに植木算を学習するとなると、まだ発達の段階的に植木算の本質を理解する準備が出来ていない子が多い印象です。
おそらく現場の先生からも、第6回で植木算を教えるのは早いという意見が多かったのではないでしょうか?
改訂後のテキストでは、第12回から14回にかけて「間の数を数える問題」、「周期を考える問題」、「等差数列」と、実物を目で見ることが出来ないものについて考える単元が続きます。
植木算も実際に数十本の木を作図することはできませんし、周期算も数列を全て書き出す解法は現実的ではありません。
規則・法則をつかんで頭の中で計算することが必要とされる単元で、この力はまだ勉強を始めたばかりの子には備わっていないことが多いです。
しばらく通塾して、勉強することに慣れた段階で指導したほうが有効、という狙いでの順番変更ではないかと算田は推測します。
植木算、周期算、等差数列の規則系単元を連続で習うようになった
改訂前は植木算が第6回、周期算が第13回、等差数列が第16回でした。
それが改訂後は植木算が第12回、周期算が第13回、等差数列が第14回になっています。
性質の似た2つの単元を連続で配置することにより、相乗効果を狙っているようです。
更に言うと、この次は総合回を挟んで約数・倍数と続きます。
倍数の問題も規則性や等差数列を利用しますので、似た性質の単元を近い時期に固めて学習する方針に変えたようです。
周期を等差数列は根本の考え方が似ていますので、まとめて学習したほうが効果的という考え方は理解できます。
似た単元を固めて学習するメリットとしては、記憶が薄れないうちに次のステップに進めるので効率が良くなる事。
デメリットとしては、一つ前の内容が理解できなかったときに、リカバリーする時間が取れない事です。
今年の4年生は学習効率的にはアップしていますが、大事な時期に躓いてしまうとリカバリーが以前よりも大変になっています。
気を付けましょう!
図形系の単元が連続するようになった
一つ上の項目とも関連しますが、第8回~第11回にかけて、図形系の単元が連続するようになりました。
4年生の指導をしていると、算数が苦手な子でも図形の単元は比較的取り組みやすいと感じているように思います。
旧テキストでは、取り組みやすい単元である図形を各所にバラバラに配置することで、難しい単元が連続しないように配慮されていました。
いわば緩衝材としての役割を果たしていたように思います。
一方で新テキストでは、規則に関する単元が登場する直前に、図形系の単元がまとめて配置されています。
上の項目でも書いたように、目に見えない抽象的な計算を扱う単元の前の時期に図形系の単元をまとめて配置することで、「慣らし運転」をしているのではないかと思います
規則や周期に関する単元(植木算や等差数列)は理解するのが難しく感じる子が多いです。その順番を後ろにして、図形前半に図形系の単元を固めることで、子供の成長や発達、慣れを待っているのではないか? と推測します。
以前は緩衝材的な役割でしたが、改訂後のテキストでは慣らし運転的な役割へと変化しています。
どの順番で学習するのが一番効果的なのかは、本当は一人ひとりにとって微妙に異なります。
ただ多くのお子様にとって最もスムーズに学習が進む順番・テキスト構成を四谷大塚が検討した結果の改訂です。
実際にはこの1年使ってみて判断することになりそうです。
改訂された予習シリーズはまだ4年上しかまだ発売されていませんが、より使いやすく良いテキストになっているのではないかと思います!
※あくまで算田の感想や推測の記事です。ご参考までに!