中学受験算数のジャンルの一つに「立体切断」というものがあります。
「図のような1辺〇㎝の立方体を、3点P,Q,Rを通る平面で切断しました。」というような書き出しで始まる問題のことです。
これは、一昔前までは超上位男子校くらいしか出題しないマニアックな問題でした。
しかし今では中堅校でもバンバン出題するメジャー単元になりました。
問題が普及し、指導法が発達したからでしょうか。昔では誰も解けなかったような切断の問題も、上位校を受ける生徒はスラスラ解いていきます。
しかし小学生にとって立体の切断面のイメージが付きにくいことには変わりありません。
立体切断の第一歩は、立方体を切断する際の切り口の作図が出来ることです。
次は切断した立体の体積を求める問題です。
上位校を受験する生徒であれば更に応用問題も必要となります。
立体を2回以上切断した際の切り口や出来る立体をイメージして求積する問題。
立方体以外の、三角柱や三角すいなどを切断する問題。
小さな立方体を積み上げて作られた立体を切断する問題。
など……
これらの問題は、ただ闇雲に問題を解いて解説を読むだけでは中々上達しないように思えます。
一般的問題集における立体切断の解説は、ほぼ全て「切断するとこのような形になる」と1行で片付けられていますが、その裏に膨大な思考が隠されているからです。
色々考えた結果作図できるものを「こうなります!」とだけ示されても、受験生の成長には繋がりません。
きちんとした指導者に習わないと成長が難しい単元の一つだと思います。
(ただ立体切断の指導は苦手だという先生もいるので注意が必要です。昔は存在しなかった単元なので、知識のアップデートが出来ていないベテランの先生は苦手としていることがあります)
市販の学習グッズで、立体切断を可視化するブロックのような教材もあります。
これは一度見てイメージするのには役立つでしょう。
しかし実際に問題が解けるかどうかとは関係がありません。紙の上で作図できるかどうかは別問題です。
難問の代名詞ともいえる立体切断ですが、学校によってはほぼ毎年出題しています。
学校説明会などで出題すると明言している学校もあります。