志望校判定サピックスオープンテストの特殊性について書いてみます。
今回は軽めの記事になります。
算数Aはとにかく時間が短い
算数Aの試験時間は35分です。
35分ですよ!!!
35分であの分量。普通の子は終わらないです!
本当に、問題を見た瞬間に解法が思いついて、トップスピードで解いていかないと間に合いません。
「当たり前かもしれませんが忘れがちなこと」というテーマで書いていきます。
最後まで終わっていないことを叱る
これは少し考えものです。終わらないのが普通です。
時間配分が下手とかそういう問題ではなく、ほとんどの子は終わらないです。
具体的に中身まで分析したうえで指摘してあげるのならばOKですが、単純に最後まで到達していないことを叱るのはやめた方がいいです。
後半の問題のミスを叱る
志望校判定サピックスオープンの算数Aは大問6問構成ですが、大問5や6のあたりで焦って計算ミスなどをしていたとします。
そして、家で落ち着いて考えれば解けたとします。
この場合の原因は、その問題への理解が低かったからではなく、単に時間が足りなかったからです。
残り時間が3分とかであれば、誰だって焦りますしミスもします。
この場合の原因は、手前の問題で時間を使いすぎてしまったことです。
今回の第二回志望校判定SOで言えば、四角1の(2)などは注目の問題です。
計算の工夫をすれば比較的楽に求められるのですがゴリ押しで計算してしまうと膨大な時間がかかります。
もしもこの問題が正解できていたとしても、計算の工夫をせずに力押しで計算してしまったとしたら、それは実質誤答に近いです。
なぜなら、後半の設問を正解するための時間を失っているからです。
単純なマルバツだけではなく、その子の課題は解き方に表れます。
前回と比べて点数が急落したことを叱る
何度も繰り返していますが、志望校判定サピックスオープンの算数Aは制限時間が特殊です。
時間が短いがために、点数が乱高下しやすいのではないかと思っています。
例を出して説明しましょう。
大問で6問の出題ですので、もしすべての設問が分かり、解くことができたら、計算ミスなどがあったとしても9割くらいの得点が取れるでしょう。偏差値で70前後になります。
しかし、途中の大問4で悩んでしまったとします。
瞬時には解き方が分からず、いくつか試行錯誤をして考えてみたが、結局分からなかったというようなケースです。
するとここで時間を大幅にロスしてしまいますので、続く大問5と6を解く時間が大幅に少なくなります。
普段なら解ける問題も解けなくなり、結果後半が大崩れ、となります。
こうなってしまった場合、得点の減少は、分からなかった大問4の分の配点だけではなく、続く5番と6番の点数も失われてしまいます。
実際には分からなかった問題は1問だけ、全体の16%ほどだったとしても、得点の減少幅は30%程度になることがあります。
時間制限が厳しいテストでは、実際の分からなかった問題の比率と得点が比例しません。
表面上の得点だけを見ると、成績が3割下がったように思えるかもしれませんが、実際は分からなかった問題は16%ほどを占める大問4だけだった、ということも考えられます。
これは偏差値が50以上の子にならば誰にでも起こりうることです。
たった1問分からなかったことが原因で、時間制約により得点が総崩れになってしまうことはあり得ます。
現状を正しく認識することは有効な対策を打つためには必須です。
成績表の点数は、必ずしもその子の学力の推移を正確には表しません。
算数Bは学校によっては不要
志望校判定サピックスオープンの算数B問題は、特殊な問題です。
基本的な知識は理解できていることを前提として、その活用や応用を問うてきます。
こうした問題を入試で出題する学校は、上位の学校に限られます。
第一志望としている学校の出題傾向によっては算数Bの復習をそこまで頑張らなくても良いということはあります。
また、サピックスの算数偏差値で50に届かない時には、算数Bではなく算数Aの復習や、また日々のデイリーチェックテストや基礎力定着テストの復習に時間を回すべきです。
もちろん目指す学校が、算数B的な問題を出す学校であれば、積極的に復習しましょう。
現状算数があまり得意でないならば「算数Bの復習に手を出すのはまだ早い」という判断もあり得ます。
これはケースバイケースです。
まとめ
志望校判定サピックスオープンテストは普通のテストではないということは覚えておきましょう。
ただ同時に、算数AもBも、良問がそろっています。
変な難問や悪問はありません。
Aは試験時間に特徴があり、Bは志望校によっては必要度が下がるというだけで、基本的に良い問題です。
これは算数マニアだから感じるところなのかもしれませんが、本当に絶妙なところを突いている問題で、感心します。いい問題です。
今後同様のテストを受ける際の参考になさってください。