この時期の6年生は立体の切断の問題によく出会います。
切断面の形を問う問題があります。
切断面は長方形なのか? ひし形なのか? 平行四辺形なのか?
この辺りの解き方は、ほとんどの塾では指導されていないのが実情です。
何となく目安で判断させていることが多いです。
この点を論理的に考える方法を紹介します。
例えば次のような問題があります。
問題:下の図の3点AMGを通る平面で切断します。(点Mは辺EFの中点)切断面はどのような形でしょうか。
切断面の作図は下図のようになります。
さて、この形の名前は何でしょうか?
長方形?ひし形?平行四辺形?
今回はこの見分け方る問題の解き方について語っていきます。
良くない方法:見た目一発! 見ればわかる!
……ダメです。立体図形を紙の上に書いた場合、奥行きの線は長さと角度が正確ではなくなります。三次元を無理やり二次元に表現しているのでゆがみが出ます。
立体図形の切断面を、見た目だけから判断することは出来ません。
ポイントとなるのは対角線です!
ここで少し四角形の性質のお話をします。長方形とはどのような形ですか?と聞かれたら、なんと答えますか?
ほとんどの方は次のように答えると思います。
長方形:4つの角度が全て直角な四角形
違います。いや、違くはないのですが、立体の切断面を判断する際の基準としては不適当です。
対角線に注目します。
長方形:対角線の長さが等しい四角形
これを利用します。下の図を見てください。
図の赤い四角形が長方形なのかどうかを見分けるには、対角線の長さを比べればよいのでしたね。
水色の線とオレンジの線の長さを比べます。
まず水色の線を見ます。これは立方体の頂点と最も遠い頂点を結んでいます。立方体の内部で一番長い線になります。
一方でオレンジの線は、辺の真ん中から反対の辺の真ん中に向かって引かれています。明らかに水色の線よりも短いです。
よって 対角線の長さが等しくない→長方形ではない
となります。
こうすれば、見た目や暗記に頼らずに長方形かどうか見分けることができます。
ちょうどSAPIXはこうした問題がテキストに掲載されている頃です。動画配信は元より、教室での授業でも、この辺りの技術は余り教えられてはいないのが実情です。
この手の問題で困っている子が多いのではないかと思いこの記事を書いています。
見た目で判断するものではありません。論理的に考えて答えを出します。
お子様がこうした問題でお困りの際は、是非このように解き方を論理的に教えてあげてください。
さて今回は、その四角形が長方形かどうかを見分ける方法をお伝えしました。
次回は、ひし形かどうかを見分ける解き方を書きます。ご期待ください。
追記:続編を公開しました。対切断の切り口「これひし形なの?長方形かと思った」ひし形の見分け方編からどうぞ