みなさん! テストの見直し、できてますか?
中学受験性が通う大手の塾は必ず定期的にテストがあります。
大体月に1回はクラス分けのテストがありますし、そのほかにも定期的に出題範囲なしの実力テストもあります。6年生であれば志望校判定テストのようなものも始まっています。
テストや模試と名の付くものをたくさん受けていますが、これらをきちんと復習できているでしょうか?
隅から隅までくまなく復習しているという方は、そのまま続けてください。この記事は読まなくても大丈夫です。
もしも「見直しが大切だってわかってはいるけれども、実際忙しくてあまりできていない……」というようでしたら、ぜひこの記事をお読みください。
今回の記事は二部構成です。
前半では、なぜテストの復習が後回しになってしまうのかの理由を解説します。
後半では、どの部分に焦点を当てて復習していくことが効果的なのかを解説します。
なぜ見直しが後回しになってしまうのか
これははっきりと自覚はしていなくても、知らず知らずのうちにこの状態におちいっているご家庭を多く見かけます。
その理由は、とてもよく分かります。
終わったテストの見直しをしても次のテストの成績は上がらないから
です。 どうしても短期的な目標を優先してしまいがちです。
例えば月ごとのクラス分けテストで、出題範囲が決まっているテストがあったとします。(サピックスであればマンスリーテストです)
テストの直前は、テスト対策としての勉強を頑張ります。
すると毎週の授業の宿題は一時ストップするような形になります。
たとえばテストが木曜日にあるとして、その前日の水曜日などは、テスト対策的な勉強の時間が増えることになるでしょう。
ということは、テストが終わった段階で、次の週の宿題が溜まっています。
テストが終わったら、すぐに次の週の宿題に取り掛からないと終わらなくなってしまいます。
気持ちは分かります! 目の前のテストに追われる気持ちは良くわかります!
それでもやっぱりテスト見直しの時間を捻出してほしいと思うのです。
テストの間違えた問題は宝の山
テストでバツがついたところは宝の山です。
その子にとって今勉強すべき問題が、凝縮されて純度100%になったものがテストのバツ問題です。
毎週の授業でも勉強して、翌週の確認テストでも復習して、その上テスト直前にはもう一回復習で何度も勉強して、それでも間違えてしまった問題です。
その子にとって、実は見逃していた苦手な問題や、本当に弱い単元が、テストのバツとなって現れます。
これらの問題は翌月のテストには出ないかもしれませんが、数か月後のテストにはきっとまた同じ単元が出題されます。
後回しにしたからと言って自然にはできるようにならないので、数か月後にまた同じような問題で間違えることになります。
目の前のテストを優先するばかりに、長期的な戦略を誤らないようにしないといけません。
すこし遠回しな言い方にはなりますが、結論としては
・翌週や翌月のテストの点数を最大化したいのなら、終わったテストの見直しはするべきではない。
・数か月後や入試本番の学力を最大化したいのなら、終わったテストの見直しを最優先でするべき。
です。私は断然後者の戦略をおすすめします。
次の段落から記事の後半です。実際にどうやって復習していけばいいかというテーマでお話しします。
じゃあどうやってテスト直しをすればいいのか?
家庭教師や個別指導の先生がついている場合は、その先生にテストを見せましょう。そして、どこの単元が特に弱くて、緊急で対策が必要なのかどうかを見極めてもらいましょう。
この章では、家庭教師や個別指導がついていないか、又はついているけれどもあまりテスト分析はしてくれない先生で、ご家庭で弱点の見極めをしなくてはいけない場合に、少しでも役立つ指標を目指して書いていきます。
①間違えた問題を家で解きなおしてみる。
自宅で落ち着いて解いたら解けたということはあります。まずはこれを試してみましょう。
解きなおして解けた問題は、そこまで緊急ではありません。理解はできているけれどもテストの緊張した状態では正解できない、という微妙な習熟度の問題です。
これは問題数を重ねれば、家庭学習で十分上達させられる問題です。
②解説冊子を読む
解説を読んでアッサリ理解できたなら、それそれで良しとして良いでしょう。
塾から配られる解説冊子はそれほど分かりやすくは書かれていないので、分かりにくい解説を読んで理解できたのなら、ある程度は理解できているのだと思って良いです。
これに関しては、同じ単元の問題を過去のテキストから探してきて、いくつか追加で解くことで十分に弱点対策ができます。
さて、ここからが本題です。解説冊子を読んでも理解できなかった問題をどうするか? という論点です。
解説冊子を読んでもわからない、意味不明だということはそもそもの前提が抜けている可能性が考えられます。
紙面に制限がある解説の冊子には「ここまでは当然みんな知っているだろうから省略するよ」というものが沢山あります。
例えば速さの問題であれば、きれいな線分図がかけた状態から解説が始まりますので、線分図がうまく書けないという段階でつまずいている子には役に立ちません。
例えば数の性質の問題で「AとBの差に注目します」と解説に書かれていた場合、どうして差に注目しようと思ったのかというきっかけの部分は解説されません。
これは対策が急がれる事態です。
省略されている前提部分(以前算田のブログでは「解説冊子の0行目」として紹介したような部分)は、普通の集団授業や自学自習では身に付きにくいです。
センスのある子は、問題を大量に解く中で自分で共通項を見つけ出して、本質的な理解にまで到達しますが、さすがに小学生で自学自習ができる子は本当に稀です。
ここはどうしても大人のサポートが必要です。
お子様が間違えてしまった問題と同じ考え方を使う問題をいくつも集めてきて、練習させることが有効です。
「同じ考え方」とは、例えば「平面図形の比の問題」のような大きなくくりではありません。「比の合成の問題」のように、解法レベルにまで細分化した状態がベストです。
例えば「比の合成」という考え方をトレーニングしたいのなら、問題の外見は平面図形でなくてもよいのです。旅人算の問題でも売買損益の問題でも、同じ解き方を使う問題を集めてくれば良いです。
ただ、ここの部分は、保護者の方がやるには難しいのではないかと思っています。
問題を解法レベルで細分化するというのは私が専門職だから分かることであって、一般の方がそれをやるのはかなり酷だと思います。(私も算数以外ではできません。たとえば専門外の理科で問題を細分化して分析なんてとても無理です。)
そこで始めたのが、先日の記事でも告知しました「弱点診断・テスト分析コンサル」です。リンク:【限定3名無料】弱点診断・テスト答案分析コンサルやります
お子様が受けたテストの答案を送っていただき、私がそれを分析します。
お子様がどの部分で間違えているのか。最も緊急で対策を要する単元はどこか。対策にはどのような問題を解いて練習するのが良いのか。
こういった点でアドバイスを行うことが目的です。
遠方にお住まいであったり、時間の関係で算田が直接指導できる生徒さんは限られてしまいます。オンラインで、どこが弱点なのかを診断するというサービスを提供すればお役に立てるのではないか? との思いで始めました。
現在は試験的に、限定3名で無料の先行実施をしているところです。告知記事を出した翌日までにちょうど3名の方からお問い合わせがあり、すでに分析作業に入っております。
お申込みありがとうございました。
私としても初めての試みですが、これで様子がつかめましたら、次第に有料版として枠を拡大する予定です。
その際はブログで告知します。
それではまた!