皆さまは「偏差値40」と聞くと、どのようなイメージを持たれますでしょうか?
「平均以下」「大きな声では言えない」「勉強が苦手な子なのかしら」など……
あまりいい印象は持たれないかもしれません。
ともすると、「偏差値40を取るなんて、うちの子は勉強が苦手なのかしら……」なんて思ってしまわれるのではないでしょうか。
今回の記事は、声を大にして「そうではない! 中学受験の"偏差値40"は同世代の中では上位に位置する!」という事を主張します。
まず下の画像をご覧ください。
一般的に四谷大塚などの模試で"偏差値40"と聞いた際にイメージするのは、下のような図ではないでしょうか?
ピラミッド型に学力が回想分けされていて、その半分より下の辺りが"偏差値40"の位置であると。
ただこのイメージは正しい実態を反映していません。
算田が考える正しい"偏差値40"は下の画像のようなイメージです。
まず、母集団の分布のイメージはピラミッド型ではなく、ひし形の方が近くなります。
平均点付近が一番人数が多く、点数が高くなるにつれて人数が減りますし、低くなるにつれても人数が減ります。
(実際には成績は正規分布ではなく2こぶらくだ型のグラフになる場合もありますが、今回は単純化して綺麗な正規分布だったと仮定して話を進めます)
皆さまが普段目にしている「偏差値」は中学受験塾に通う小学生を対象にしたテストでの偏差値です。
つまり統計処理する上での母集団は「中学受験を目指す小学生」です。
図の外側の黒いひし形が、全国の同年代の小学生の学力分布のイメージです。
その中の青い四角形が、中学受験を目指す小学生の学力分布です。
全国の小学生の中でも、比較的上位に位置する子が中学受験を目指します。
普段見ている”偏差値”は、かなり上位の集団の中で算出された値です。
ですから、中学受験を目指す集団の中での偏差値40は、全国の同世代の小学生で考えれば、かなり上位の学力を持った子供だと考えて良いでしょう。
この点は忘れないで置きたいです。
日本の中学受験生の勉強量は、世界的に見ても多い方です。
そのなかで争って「平均より少し下」というのは、学力レベルとしてはエリートと言って差し支えないのです。
例えるなら、プロ野球選手の中で実力がプロの平均より少し低かったとしても、一般人と比べればはるかに野球が上手な人であるような感じです。
次の2点を強く主張したいと思います。
①お子様の偏差値が40だったとしても、同世代の平均よりは上である
②大手塾が出している、いわゆる「80%偏差値」が40付近の学校であっても、全国的に見ればハイレベルな学力試験を課すエリート校である
ほぼ全員が受験する高校受験と、比較的学力の高い層の身が受験する中学受験では母集団が異なるため、”偏差値”の数字の印象が大きく異なります。
「偏差値〇〇の学校に行かせるくらいなら、行かせても無意味なんじゃ……」と感じている方もいるかもしれませんが、中学受験の場合、見かけの数字よりも学校の魅力は上であることが多いです。
よくよく学校の魅力を探し、気に入る学校を増やしておくことをおすすめします!
※今回の記事での「偏差値40」とは、四谷大塚の模試での偏差値を想定して書いています。SAPIXにお通いであれば5程度ズレますので「偏差値35」に読み替えてください。