割合の文章題に登場する「~に対する」という言葉の意味をどう理解するか、という点でお話します。
SAPIXのテキストやテストで春の時期によく出る問題です。
割合の文章題で最も基本的な形は次のような問題です。
問題
Aさんの所持金はBさんの所持金の2/5倍です。AさんとBさんの所持金の比は何:何でしょうか?最も簡単な整数の比で答えなさい。
この問題の答えは2:5です。
この問題も最初は2:5か5:2か悩むと思いますが、今回はここはクリアできているとして、違った出題の仕方への対応方法を解説します。
問題2
BのAに対する割合は2/5です。A:Bは何:何でしょうか。最も簡単な整数の比で答えなさい。
Aに対するBの割合は5/2です。A:Bは何:何でしょうか?最も簡単な整数の比で答えなさい。
この問題の答えはどちらも5:2です。
「に対する」という言葉は小学生にとって馴染みが薄いので、意味が理解しにくくなっています。
答えが5:2なのか2:5なのか、主語述語の関係が分かりにくくなっています。
さて、この問題を解決するには2通りのアプローチがあります。
「に対する」という言葉の意味を用例と共に根本から学習するか、又はテクニカルな暗記で解決するか、です。
結論から書くと、これに関しては暗記で解決してしまっても良いのではないかと思っています。
「に対する」という表現が使われる頻度がそれほど多くないことや、国語的なアプローチで言葉の意味を理解するには時間がかかることが理由です。
割合の単元は他にも大事な内容が山ほどあり、「に対する」という言葉の理解にあまり多くの時間は使えません。
算田は普段は出来るだけ根本の意味を理解するように指導していますが、こと「に対する」に関しては、一旦システマチックな方法で解決して、時間と共に根本を理解する作戦でも良いと思います。
では考え方をご紹介します。
「に対する」を「の」と読み替える
文章中にある「に対する」を「の」と読み替えるのです。
下の画像のように読み替えます。
このように、「に対する」のところを「の」と読み替える事で意味が通りやすい文章に書き換えることが出来ました。
(3枚目の画像の文章は、「Aに対する割合は」の「は」の役割が何かを意識するとより正確な説明になると思うのですが、小学生が運用することを考えて簡略化しています! 日本語文法は算田の専門ではないのでこの辺にしておきます!)
本来ならば言葉の意味から理解したいところではあるのですが、応急措置的に、こうした読み替える解き方を使ってみることも悪くないと思います。
割合の文章題で「に対する」という言葉に苦戦している方は、取り入れてみてください!