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SAPIXの過去問でテスト対策するのは有効なのか?【結論:どちらともいえない】【算田は使わない】

「サピックス試験問題を複製販売 著作権侵害容疑で書類送検 警視庁」というニュースが駆け巡りましたね。まだチェックしていない方はニュースサイトなどで読んでみてください。

複数の受験ブログの方が、テキストや問題集の著作権問題について記事を書かれていました。
算田はちょっと違う角度から書いてみたいと思います。

そもそもなんでSAPIXのテストの過去問に需要が多いのか?

ということです。先に言っておきますと、購入された方を責める内容ではありません。ご安心ください。

サピックスのテスト過去問を購入する方の目的としては、以下の二つが考えられるのではないかと思います。

①他の塾に通っていて、サピックスの教材を見てみたくて買った
②サピックスに通っていて、テスト対策のために購入した

①の方は良いか悪いかは置いておいて、気持ちは分かります。難関校合格実績で圧倒的なサピックスがどのようなテストを実施しているのか、何かテストに秘密があるのではないか。
そんなことが気になって、過去問を入手したくなるという心理は理解できます。

確かにサピックスオープンなどは良問がそろっているので、入手することにも一定の意味はあります。
ただ、高いお金を払ってまで入手する価値があるかといわれると、そこまでのものでもないような気もしています。
テストやテキストの微妙な差異を追求するよりも、今ある問題集をどれだけ深くやり込めるかのほうが学力の伸びには直結します。

次に、②のサピックスに通っているご家庭がテスト対策のために購入するケースです。
マンスリーテストや組み分けテストのような、クラス分けがかかったテストの過去問を事前に解いておくことによって、少しでも点数を上げようという目的です。

こういった行為が存在していることは、皆様もどこかで聞き及んだことがあるかと思います。
そして、この勉強法に対する功罪を断言するのは非常に難しいです。

ここから下の文章は、意見が二転三転して読みにくくなっているかもしれません。算田自身が態度を決めかねているからです。
過去問を使った学習には意味がないともいえるし、一定の意味があるともいえるからです。
算田は算数専門のため算数限定の話にはなりますが、テストの過去問利用に対する算田の考えを書いていきます。
お付き合いいただければ幸いです。

まず前提として、マンスリーテスト(月ごとのクラス分けテスト。出題範囲が決まっている)の過去問を解いておくと、ある程度は点数の向上が見込めます。
これは否定しないです。過去数年分ほど解くと、共通して出題されているような問題が数問はあるからです。
事前に触れておけば、本番で類題が出題された際に解ける確率が上がるでしょう。

そのため、マルの数にして1~2個分くらいの価値はあるかもしれません。点数にして8~16点分くらいです。これは確かにあります。

加えて、教材がテスト過去問だとしても、普段のテキストだとしても、勉強していることには変わらないので、一定の学習効果はもちろんあります。

さて、テストの点数が上がるならば積極的に過去問学習をするべきなのかというと、そうとも限らないです。
過去問で身に着けた付け焼刃は、本質的な学力には直結しないからです。
その場限りの解法を覚えたところで、本質的な部分を理解していなければ、数か月後には忘れてしまいます。人間の完全暗記はそんなに長期間もちません。

では本質的な学力につながらないから反対なのかというと、必ずしもそうではないのです(このあたり二転三転です)
中学受験は、生徒の精神面が大きく作用します。
クラスダウンの悪い流れが起きてしまうと、徐々にメンタル的に悪化していき、勉強が身に入らなくなってきます。

この最悪の事態を避けるために、カンフル剤的に過去問を使用するという判断を下したご家庭があったとして、これを責めることはできないと思います

白状すると、算田も受験指導を始めたばかりのころは、某塾のテストの過去問を利用して指導したことがあります。
生徒のご家庭が入手されていて、それを使って教えてほしいとの依頼でした。

その頃は多少の疑問を感じながらも、テスト過去問の間違えた問題の解説を行っていました。
でも……長期的にみて、成績が上がっていかなかったんです。
それもそのはずです。週に1回の指導で、毎月のテスト前に1回の指導をテスト対策に使ってしまっては、指導時間の1/4が付け焼刃のために使われてしまいます。
もっと大切なことを教えるための時間がどうしても足りなくなります。

このことに気づいてからは、テストの過去問はほとんど使わなくなりました。
幸いなことに、今では日頃から基礎学力を高めて地道に成績を上げていけるようになりましたので、カンフル剤的に過去問を使う必要性もなくなりました。

最後にもう一度書いておきますが、これは算数に限った話です。他教科はそれぞれ事情が異なるでしょう。
話をまとめると、算田は今はもう使っていません。普通に正攻法で成績を上げます。
でも、やむにやまれず使ってしまうご家庭のことも否定はできないです。
一時のドーピングであるという自覚をもって使うのならば、利用は自己責任です。

一点注意喚起をするとすれば、慢性的に使用するのは良い結果に結びつきません。
毎日エナジードリンクを飲んでいたらそのうち効かなくなります。

完全な善とも悪とも言い切れません。目的があって使うのならばそれは自己責任です。
メリット・デメリットを理解した上で自己責任でご判断ください。

ありふれたフレーズですが「用法容量を守って正しくお使いください」。
今のところ算田は使っていません。

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2024年2月以降の生徒も満席となっております。
大変申し訳ありません。

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