弱点対策として何を勉強するべきなのか? と考える際に、永遠のテーマは「基礎固めか、応用問題か」ではないでしょうか。
その生徒が今後成長していくために、今何を練習することが必要なのかと考える際に、どちらが良いのかは非常に難しい問題です。
一般には「基礎固めが大事!」と言われますが、状況によってはそうでない場合もあります。
基本問題の間違いが多いから基礎固めをするべき……という程単純な話でもないのが難しい所です。
基本問題の×が多くても応用対策をする場合もあるし、応用問題の×が多くても基礎固めをする場合もあります。
間違える問題の種類
症状1:基本問題の失点が多い
一つ目のケースとして、基本問題での失点が多い場合を考えていきましょう。
塾のクラス分けテストで、大問1~4辺りの比較的簡単な問題で×が多い場合です。
基本問題で×が多いのだから、基礎が抜けているのでは?
そう思われるのも最もなのですが、必ずしもそうではないのが難しい所です。
バツの原因が知識不足の場合には、当然基礎固めをするべきです。うっかり忘れていたり、解法があやふやなので本番で間違えてしまうような場合は、基礎をしっかり固めるべきです。
一方で、バツの原因が計算ミスや文章の読み間違いの場合は、基礎固めをしたとしても改善しません。簡単な問題をたくさん解いたとしても、問題文も簡単なので注意力が鍛えられません。
このような生徒には、少し複雑な文章題を解く経験を積み、文章のどこを注意して読めばいいのかの練習をした方が改善します。
基本問題の失点が多かったとしても、その原因によって対処法も異なります。
症状2:応用問題の失点が多い
塾のクラス分けテストにおける、後半の問題での失点が多い場合を考えていきましょう。
応用問題の失点の場合も、定説は「基礎が固まれば応用問題も解けるようになる」です。
しかしこの定説が当てはまるケースもあれば、当てはまらないケースもあります。
応用問題の×の原因が、基本知識の”抜け”があることに由来している場合は、基礎固めをするべきです。
何かの知識・技術が決定的に欠けている場合には、その部分を基本問題で練習することが効果的になります。
複合していない、単元ごとの基本問題で練習することで新しい技術を習得し、それを使って応用問題が解けるようになる可能性があります。
一方で、「複数の解法・単元が複合した際の処理に不慣れであること」や「基本問題ではあやふやな理解のままでも解けてしまっていたが、応用になったら通用しなくなった」が原因である場合は、基本問題を反復したとしても応用問題対策としては非効率な勉強になります。
つまり、複数の解法を”繋げる”という部分に苦手がある場合は、単独の状況でいくら練習したとしても”繋げる”練習にはなりません。
また、「あやふやな理解でも基本問題くらいなら解けてしまっていた」場合では、基本問題を反復したとしても、あやふやな理解のまま正解を続けます。得られる学びの量は少なくなってしまうでしょう。
このように、応用問題のバツが多いという状況は同じでも、取るべき対策は異なります。
プロに相談を
お子様の状況がどちらに該当するのか、じっくりと分析して判断するようにしてください。
保護者の方だけでは分析が難しいようでしたら、塾の先生や家庭教師などプロに相談しましょう。
今の状況がどちらに該当するのか。
基礎固めをするべきなのか、応用問題に挑戦するべきなのか。
生徒一人一人によって状況は異なります。
(算田が現在指導している生徒の中では、基礎固めを指導している生徒の方が割合は多いですが、応用問題を中心に指導している生徒も居ます。状況によってまちまちです)
どの難易度の問題を解くのが効果的かの判断は、意外と難しいものです。
「基本問題でバツが多いから基礎固めをしなきゃ!」のように短絡的に判断するのではなく、そのバツの原因まで深堀して考えてみると、良い学習方法が見えてくると思います!
良かったら参考にしてください。