今回は「ド初心者こそ最初はしっかりマンツーマンで基礎を教えてもらうべきな理由」というテーマで書いていきます。
といっても勉強の事ではありません。算田は最近趣味でキックボクシングを習い始めたので、その中で感じたことを記事にします。
普段は教える立場で仕事をしていますが、教わる立場になる事で分かったことが多くありました。
これって中学受験の勉強でも共通しているのでは? と感じた点を中心に書いていきます。
以下の内容は基本的に「キックボクシング」を主語にして書きますが、それを「中学受験の勉強」に置き換えて読んでいただいても面白いと思います。
目次
なぜ最初は個別指導が良いと思ったのか
キックボクシングという新しい技術を習得して趣味とするにあたり、最初のド初心者の内はパーソナルトレーニング(個別指導)が良いという結論になりました。
そう感じた理由や経緯を書いていきます。
そして今回算田が感じた内容は、ほぼそのまま中学受験にも該当すると思っています。
初回の無料体験クラス
最近運動不足だし、ちょっと体を動かしたいな~という動機で、友人と一緒にキックボクシングのジムに無料体験に行きました。
格闘技は全くの未経験、パンチもキックもしたことがありません。
初回体験の受講生は「初心者クラス」という時間に参加します。トレーナーの先生が1名で、生徒は12名程いたかと思います。
まず先生が前でお手本を示し、受講生同士でミットをもって実技練習するような流れです。
初めてパンチを打つのは楽しかったのですが、「こうやると上手になるよ」という指導をしてもらえたのは1時間のクラスを通して4・5回ほどでした。
これでも初回体験なので多めに教えてもらったくらいで、他の受講生たちは1時間のクラスを通してほとんどアドバイスをもらっている様子はありませんでした。
最初に基礎を教えてもらわないと楽しくならない!
何事も、楽しくなるまでには時間がかかります。
スポーツでも勉強でも音楽でも、最初の内は何が何やら分からず、どうやったら上達するのかも分からず、あまり楽しくない時間が続きます。
そしてしばらくして技術・知識がある一定のラインを超えると、急激に面白さを感じられるようになるものです。
この最初のラインを超えるまでは出来るだけ早く上達させてしまわないと、楽しさを感じられない時間が長くなってしまい、継続が苦痛になります。
例えばパスもシュートも出来ない状態でサッカーをしても楽しくないでしょう。ただ走って疲れるだけの苦行です。
初心者が初級者になるまでの期間は、最も多くのアドバイスを必要とします。
さて、ここで算田には二つの選択肢がありました。
基本料金の月謝(月額8800円)で通い放題の集団レッスンクラスに参加するか、追加料金(1時間6600円)を払ってプロのトレーナーにパーソナルトレーニングをお願いするかです。
パーソナルトレーニングは少々値が張るが、しかし……と揺れ動きました。
集団指導か個別指導かを選ぶ基準
集団クラスと比較して個別指導(パーソナルトレーニング)を選んだ際の決め手についてお話していきます。
授業中に講師が教えてくれる回数
1時間の練習時間を通して、先生が教えてくれた回数が段違いでした。
集団クラスでは、先生が前でお手本を示す以外でアドバイスをくれた回数は4・5回ほどでしたが、パーソナルトレーニングでは数えきれないくらいの回数アドバイスをくれました。
体感では10秒に1回くらい教えてもらっていた感覚です。
先生が最初に「パンチは腰を捻ってこうやって打つよ!」と正解を示してくれるのですが、なかなかその通りにできません。
いや、自分ではその通りにやっているつもりなのですが、どうにも動きがちぐはぐなのです。
そこですぐさま先生が修正してくれます。
すると自分の気づけていなかった部分に気づけて、改良したフォームで練習を重ねます。
これを繰り返すと、たった1時間の練習の中でも上達が実感できるようになります。
先生がみんなの前で「お手本」を示してくれると分かった気になるのですが、実際にやってみるとうまくできません。
その都度修正・指導してくれた回数と上達のスピードは比例するように感じます。
集団クラスは生徒のレベルがそろっているか
集団クラスが必ずしも悪い訳ではないのですが、判断基準の一つとして「全員が同じ習熟度からスタートするのか、自分だけ途中編入なのか」というのは重要なポイントです。
自分だけが途中編入の場合は、周囲の受講生はそこそこ基本が分かっている人たちです。
先生もそのクラスの平均値レベルを意識して指導するでしょうから、今更「パンチの打ち方はこう!」のような超基礎はあまり教えてくれません。(仮にそのような授業をやってしまったら、周囲の他の受講生からは簡単すぎるという不満が出る事でしょう)
そのため、集団クラスの他受講生の平均レベルに追いつくまでは、ブーストをかけて基礎を学んでしまう方が良いだろうと思いました。
そうでなければ、自分のレベルに合わない応用トレーニングを一緒にやる時間が増えてしまい、いつまでも基礎が身に付かないということになりかねません。
(まだ普通のパンチが満足に出来ないのに、例えば「ワンツーフックからのキック!」のような複合技の練習をしても難しすぎてためになりません)
これを中学受験に置き換えます。
新4年生や新5年生といった区切りの時期から受験勉強を始めるのであれば、塾のカリキュラムはその時期からの新規入塾生を想定した作りになっていますので、さほど障害を感じることなく参入できるでしょう。
しかし、次の2パターンの場合は注意が必要です。
①年度の途中から入塾する場合
②大きく苦手としてしまった場合
このどちらかに該当する場合は、参加する集団クラスの内容が難しすぎて合わず、上達の妨げとなる可能性があります。
そのような場合は、塾のカリキュラムから外れて基礎の集中特訓をするような勉強をした方が良いでしょう。
具体的には、家庭内でご家族が教えてあげるか、個別指導塾や家庭教師の活用です。
集団レッスンと比較してパーソナルトレーニングのメリット
自分の動きを見たうえでアドバイスして修正してくれる
算田がお願いしているインストラクターさんの口癖は「とりあえずやってみて」です。
まず生徒にやってもらって、そこから修正点・改善点をアドバイスしていく指導スタイルを取られています。
ただ一方的に正解をえておしまいの指導ではなく、生徒に実際にやらせてみて、その中でブラッシュアップしていくような指導スタイルです。
受講生の様子を見て、どこが足りていないのかその場で判断して最適な指摘をしてくれる環境で学ぶと、短時間でも多くのことを吸収できます。
イメージ・感覚を教えてくれる
イメージや感覚を分かりやすく教えてくれる指導者は貴重です。
たとば「ワン・ツー」というコンビネーションがあります。左手でジャブという軽いパンチを打ち、間髪空けずに右手で強いパンチを打つ技です。
最初に教えてもらったのは「左手で打った軌道と同じところに右手でも打つ」というような事でした。
しかし言葉で言われただけではイメージ通りに体を動かせません! うまくいかずに苦労しました。
するとトレーナーの方が、テニスボールを使った練習法を教えてくれました。
伸ばした左手にテニスボールを持ちます。左手をその場で離し、素早く右手でキャッチしなおすという練習法です。
これは実際のパンチとは異なりボールを使った特殊な状況での練習ですが、「同じ軌道で打つ」という言葉の意味やイメージを理解するのに大変役立ちました。
算数でも同じことが言えます。
例えば売買損益で「1個当たりの金額の差に注目する」という着眼点を言葉だけ手生徒に伝えても、その真意まではなかなか伝わりません。
そんな時は、「1個当たりの差」という事のみに注目できる特殊な状況を作ります。
そうすることで、言葉ではなく感覚で理解できるようになります。
言語での理解と同じくらい、非言語での理解が大切です。
「あぁそういう事か」と思えると、上達が早いです。勉強もスポーツもここは同じです。
スポーツも勉強も同じ。その教科が物凄く苦手になってしまったら
ここまでキックボクシング入門について記事を書いてきましたが、受験勉強との共通点が多くあります。
勉強においても、その教科が一度物凄く苦手になってしまうと楽しくなくなりますのでモチベーションが上がらず、復活が難しくなります。
どこかでテコ入れして持ち直させる必要があります。
ご両親が指導できる場合は、時間を取って教えてあげると良いです。
個別指導や家庭教師を頼む余裕があるならば、良い先生を探して依頼しましょう。
集団指導のクラスでテコ入れを行うならば
①先生が生徒の動きを見て、対話の中で修正してくれる
②授業内でイメージ・感覚を教えてくれる
の2つを満たしてくれるコース、先生を探すと良いでしょう!