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指導法

順序良い解説は逆に分かりにくい!? 全体像を先に見せよう!

今回はちょっとマニアックな話になります。

生徒に解き方や手順を解説する際に、最初から順序良く解説することが分かりやすいとは限らない、というテーマで書いていきます。
むしろ一足先に最後の結果を見せて、出来上がりのイメージを作ってから解説したほうが理解しやすいと考えています。

言葉だけですと分かりにくいので、実例を出してみます。
囲碁の「ニギリ」とは何なのか、二通りの方法で解説します。
おそらく多くの方がニギリのルールは知らないかと思いますので題材に選びました。(知っていた方はごめんなさい!)
二通りの説明の違いを感じてみてください。

ニギリの説明その①

①対局者の一方が白石を数個握って盤上に置く。(この時石が何個か相手に分からないように手で隠しておく)
②もう一方が黒石を1個又は2個置く。1個の場合は、白石を奇数だと予想するの意味。2個の場合は白石は偶数だと予想するの意味。
③白石を隠していた手を開き、個数を確認する。その個数が奇数か偶数かを確認する。
④個数の偶奇が当たっていた場合は、黒を握ったものがそのまま黒を持つ。はずれていた場合は、白黒を交換する。
⑤黒石を持ったものが先手番。白石を持ったものが後手番で対局を始める。

一つ目の説明は以上です。
続けて二つ目の説明です。

ニギリの説明その②

①囲碁の対局で、どちらが先に打つかを決めるためのゲーム。昔はじゃんけんがなかったので、その代用。
②一人が石を何個か掴んで手の中に隠し、もう一人はその個数が奇数か偶数かを当てるゲーム。
③具体的な手順。まず一人が白石を何個か手の中に隠し持って、碁盤の上に載せる。(相手から個数が分からないように)
④もう一人が、白石が偶数か奇数かを当てる。奇数だと思ったら黒石を一個、偶数だと思ったら黒石を二個、碁盤の上に置いて意思表示をする。
⑤白石を開いて個数を確認し、偶数か奇数かが当たっていたら、当てた方が先手。外れたら後手。

以上です。

説明その①の方はニギリの手順を最初から順番に解説しています。
一方でその②は、最初にニギリの目的(先手後手を決める)と、その最終形(碁石の偶数奇数を当てるゲームである)を提示しています。

文字数はほぼ同じですが、分かりやすさには差があったのではないでしょうか?
(ちなみに説明その①はWikipediaの記述をアレンジしたものです)

さて、中学受験算数の解説にも同じことが言えます。
「こう計算してこれを求めて、すると次にこれが求まるから、最後にこうすると答えが出る」
のように順番に説明されても、全体像がなかなかつかめないので理解しづらいです。

それよりも、最終的にどういう形を目指しているのかや、どのような類題・背景知識を思い浮かべて解法を発想しているのかといった情報が先に頭に入っていたほうが、解説の意味が分かりやすくなります。

算田が生徒に解説をする際には、どの段階で全体像を提示するか、その生徒が持っている知識の範囲でどういえば最も伝わるか。
また背景知識が足りないのであれば、問題の解説の前にどの知識を補強しておく必要があるのか。
こうしたことを考えながら解説しています。

ただ単に解き方を羅列するだけであればそれは結果論に過ぎず、生徒にとっての再現性がありません。
「解説を聞いたときは分かるけど、1人でやったら解けない」になってしまいます。

家庭教師や個別指導の先生が特についておらず、ご家庭で保護者の方が解説される際などには「全体像を先に見せる」という視点を少し取り入れてみてください!

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