以前個別指導塾で勤務していた頃に感じたことを記事にしていきます。
勉強を苦手としていて、成績があまり高くない生徒についてのお話です。
塾の授業で、1学年下の講座を受けられればもっと効果的に成長できるだろうに……と感じることが数多くありました。
例えば6年生の夏期講習で、5年生の講座を受けた方が合っているという生徒は沢山います。
6年生の春・夏で算数を苦手としている子は、5年生の内容から理解できていないことが原因です。
例えば割合の基礎的考え方を苦手としたまま、何となく食塩水の公式や面積図的な解き方を暗記して乗りきってきたが、6年生のテキストになると全く解けなくなった。
というケースだとします。
この子がやるべきことは、今解けない6年生のテキストを頑張って解けるようになる事ではなく、理解出来ないままになっている5年の内容をもう一度勉強することです。
にもかかわらず、塾でそういった講座は用意されていません。
下位クラスの授業だとしても、使うテキストは全コース共通だったりするので、そこまで思い切ってレベルを落とした内容をするわけにはいきません。
なぜなら、組み分けテストは全コース共通だからです。
本当はテキストの内容ではなくて、ドンとレベルを下げた内容を教えた方がトータルで見ると伸びていくはずなのに、目の前の組み分けテストの範囲を無視するわけにもいかず、仕方なく全体のカリキュラムに沿った授業をやらざるを得なくなっています。
そうなんです。一度塾のカリキュラムから大きく外れて苦手になってしまった子が、もう一度浮上するためのルートはあまり整備されていないのです。
全く新しくカリキュラムを作るのは大変でしょうから、せめて5年生が4年生の講座を、6年生が5年生の講座を取れるようになれば良いのにな……と感じています。
さて、家庭教師であれば学習内容はその子に応じてフレキシブルに変えることが出来ます。
集団塾との併用性の場合、基本的にはその塾のカリキュラムから大きく外れない範囲で指導するのが一般的ですが、物凄く苦手にしている子の場合はその例外となります。
今週塾で学習した内容が分からない原因は今週の勉強不足ではなく、約1年前の内容の理解不足であったりするのです。
その時にただ漫然と塾の内容をフォローしていても効果は出ません。
思い切って、大きく内容をバックさせて学習することが有効になります。
家庭学習で総復習をしようと思った際に、一番困るのが「どこまで戻れば良いか」の判断だと思います。
算田が行っている「弱点診断・テスト分析コンサル」の一環として、どこまで戻れば良いかの診断も実施しようと思います。(詳細はトページ上部のメニューバー内の「弱点診断・テスト分析コンサル」の案内からどうぞ)
入試直前期で多忙のためどこまで実施できるかは分かりませんが、空き時間や移動時間などを利用して出来る限り分析作業したいと思います。