家庭教師を初めてお願いするご家庭など、体験授業ではどんな授業をやってもらえばいいのか迷うことがあるかもしれません。
私の今までの経験から、よくある体験授業の形式・パターンを紹介し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
①事前に聞きたい問題を先生に伝えておく
家庭教師の先生が自宅に来る前にメールなどで、どの問題を質問したいか伝えておくパターンです。
例えば「予習シリーズ5年下第4回練習問題の3と4が分からなかったです」や「SAPIXのデイリーサポートの問題を質問したいです。写真にとって送ります」や「開成中学2020年の大問3の解説をお願いします」のような形式です。
この形式は先生がある程度準備することが出来るので、質の高い授業にすることが出来ます。
難関校の過去問を質問したい場合などは事前に伝えておいた方が先生も準備が出来るので良い授業になります。
デメリットとしては、先生が予習する時間があるので、その先生が問題を解く能力があるかどうかは判断できない所です。
②当日その場で質問したい問題を渡す
体験授業の直前に塾の授業で解いた問題を質問したい場合など、家庭教師への事前の連絡が間に合わなくなります。
その場合は当日先生に来てもらってからその場で「ここが分からなかったみたいなので教えてもらえませんか」のように言う形になります。
この形式の体験授業のメリットは、先生が即興できちんと解説する能力があるかを見ることが出来る点です。
事前に準備して模範解答を読んだうえでの解説ではなく、その場で問題を見てすぐに解いて解説できるかを判断できます。
デメリットとしては、この形式を嫌う先生もいる点です。
準備した上で能力を発揮するタイプの先生の場合は嫌がられるかもしれません。
③先生に完全お任せ
体験授業の内容を先生に完全にお任せするタイプもあります。
学年と大体の偏差値だけ伝えて、内容は家庭教師の先生に決めてもらいます。
保護者がその教科のことに詳しくなく、どこを質問したらいいのか分からない場合は、先生に任せられるので手軽に体験授業を受けることが出来ます。
デメリットとしては、その先生の得意技の単元の授業になることです。
どの先生も、各々「得意技」を持っています。体験授業の際に見せると印象のいい、指導上での得意単元です。
その先生の一番得意な授業で指導力を測るというメリットがありますが、一方で他の単元も同じレベルで指導できるのか?について判断しづらい点がデメリットです。
④テストなどを渡して弱点を分析もらう
塾の組み分けテストやオープン模試などを先生に事前にメールなどで送っておき、その中からお子様の苦手・弱点を分析してもらい、その単元の授業をお願いするパターンです。
「事前に伝える」と「完全お任せ」の中間のような形式です。
メリットとしては、どこがお子様の弱点なのか保護者からでは分からない場合でも先生に単元を選んでもらえる点。加えて、テストを見た際にどのくらいの深さで分析できる先生なのかを見極められる点もメリットです。
デメリットとしては、先生がある程度予習・準備して授業に臨める点と、事前にテストをメールで送る手間がかかる点です。
「事前に伝える」と「完全お任せ」の中間なので、メリットもデメリットもそれぞれの中間になります。
どのタイプにするのがいいの?
ご家庭が家庭教師に対して何を求めるかによって選びましょう。
その場で解説する能力を重視するのか。先生にお任せした際の提案力を重視するのか。テストを見た際の弱点分析力を重視するのか。
私自身はこの4つのパターンどれでもOKです。
比率としては「当日その場で渡す」又は「テストを渡して分析」になることが多いです。
当初「完全お任せ」を希望しているご家庭でも、可能であれば「テストを渡して分析」になるようにしています。(生徒の現状に関する情報が多い方がより精度の高い授業が出来るため)
また振り返ると、事前の電話連絡の際には「テキスト〇番の問題をお願いします」と言われていても、当日急遽別の問題に変更になったこともかなりの数あります。
今思い返してみると、即興でどこまで授業が出来るか見定めていたのかな? と思います。
もちろん大歓迎です。体験授業は、その先生が本当に能力があるか、お子様と合うか、ご家庭が求めているものにマッチしているかを厳しい目で判断していただくことが目的です。
その先生の資質を判断できると思う方法を試していただきたいと思います。
事前に分析のお願いや問題の連絡をしている場合でも、1問か2問は追加で当日その場で渡した問題を解説してもらうと良いかもしれません。
(灘や開成のような超難関校の問題はさすがに嫌がられるかもしれませんが、通常のテキストの問題であれば解説してくれるはずです)
体験授業は、その先生が人格的に良い先生か、お子様との相性は良いか、問題を解く能力はあるか、解説は分かりやすいか、提案力、分析力など様々な力を総合的に判断する場です。
どんな授業だとご家庭の求めるものを判断しやすいか。
そんな視点で考えてみてください。