6年生のご家庭は過去問に取り組むことが増えていると思います。
間違えなおしをする中で、文章の読み飛ばしor読み間違いが遠因でバツがついていることはないでしょうか?
問題文を読めば簡単に分かるはずのことを読み飛ばして、勘違いしたまま解いたためによく分からないことになってしまう……
算田の生徒でも毎年います。
算数に限らず、理科や社会でも難関校の問題は長文傾向にあり、読み飛ばしが原因の惜しいミスをいくつも見かけます。
これは成績の上下に関わらず発生している印象です。むしろ御三家志望者のような頭のいい子ほど読み飛ばしをしているように思えます。
なぜ読み飛ばしをしてしまうのでしょうか? 算田なりの考察を書いてみます。
結論としては、頭のいい小学生は、普段から飛ばし読みをする癖がついているのではないかと思っています。
日常社会にある文章は、誰でも理解できるように丁寧に書かれています。
言い換えれば、あまり読解力のない大人でも分かるように書かれているので、御三家を目指すような上位小学生にとっては冗長に感じられるのです。
世の中の一般的な大人に向けて書かれた文章は、上位中学受験生にとっては長ったらしくて全ては読んでいられず、必然的に斜め読みするクセがついています。
社会で普通に存在する文章であればそれで大丈夫です。一般的な知能の層に向けて書かれた文章ですので、彼ら・彼女らほどの読解力をもってすれば、飛ばして読んでも十分理解できます。
しかしこの方法は入試問題には当てはまりません。
入試問題の文章とは、その学校の受験生に向けて書かれた文章です。
例えば開成であれば、開成中学に合格できる層に向けて書かれた文章であり、つまりそこまで親切に書かれてはいません。
事実を簡潔に伝える美しい文章ですが、誤読を防ぐための注意喚起や言い換え表現などはあまり出てきません。
あくまで「開成中学に合格する受験生ならこのくらいは読めるでしょ」という感じで書かれています。
つまり、入試問題とはその学校が求めるレベルの読解力を持った生徒に向けて書かれた文章なのです。
これは通常社会に溢れる文章よりは、想定読者のレベルが数段上の文章です。
きっと受験生本人も薄々感づいてはいますが、難関校を受ける小学生の読解力レベルは、大人の平均的な読解力より遥かにハイレベルです。
そのため無意識に「長文は飛ばし読みしても理解できるものだ」と思ってしまっている節があります。
しかしそれは一般層に向けて書かれた文章の場合です。
中学入試の問題は、その学校に合格するレベルの人間に向けて書かれた文章です。
必然的にレベルの高い文章になります。
算数の文章題について、私は生徒に「入試問題は一文字も無駄なく書かれている」と伝えています。
6年生の上位生で、過去問学習で急に誤読が増えたというご家庭は、指導の際の参考にしてみてください。