国語指導のおすすめ書籍紹介シリーズの二冊目は
野矢茂樹「論理トレーニング101題」(産業国書、2001年) です!
接続詞問題に特化した内容になっています。
お子様の国語を見ていて「だってここに入るのは『しかし』でしょ!読めば分かるはずじゃん!」と言いたくなった経験のある方にぜひおすすめしたい書籍です。
文章内の接続詞が空欄になっていて、当てはまる適切な接続詞を入れる問題を延々と101題トレーニングするという書籍です。
101題全て接続詞問題です。狂気の沙汰かと思いますが、本当に101題接続詞問題が続きます。
読む前は絶対に飽きるだろうと思ったのですが、取り組み始めてみると面白くて止まらなくなり、何日かかけて全て解いてしまいました。
この本を読む前は、接続詞の穴埋めなんて簡単にできると思っていました。しかし実際にやってみると判断に迷う問題がいくつもあり、間違えた問題も解説を読むと明快な理由と共に解説が書かれているので、非常に納得します。
言われてみるとその接続詞しか入らないと思えるのですが、初見では判断できない問題がいくつもありました。
国語は人並みにはできると思っていたのですが……接続詞穴埋めの奥深さを知りました。
本書のコンセプトは「文章の論理が正しく読み取れているならば、空欄にされた接続詞は正しいものを入れることが出来る」というものです。
前後の文章がどのような関係になっているのか。
付加・理由・例示・転換・解説・帰結・補足のどの接続詞を入れることが適当なのか。
「ただし」と「しかし」は何が違うのか。
こういった内容を大人向けに、本気で論理的に説明・解説しようと試みたのが本書です。
文章読解の「論理力」を鍛えるのに有効なトレーニング方法は、接続詞の穴埋め問題をこなすことなのかもしれません。
ちなみにこちらは中学受験向けの解説書ではありません。
大学生や社会人が勉強するために書かれた本です。
そのため中学受験生本人に読ませるのではなく、保護者の方が読むことでお子様への指導において新しい視点を得られる本だと思います。
国語という教科を論理的に解説するのは本当に難しいと思います。(だからこそそれが出来ている講師の方々は尊敬しています)
中学受験参考書のくくりからは外れますが、国語指導をする上で役に立つ本ですので紹介させていただきました。