今回は過去問の使い方について書いていきます。
普通の使い方は、一年分の問題を時間を測って解くという方法です。
学校にもよりますが、直近の5~10年分の過去問については、普通の方法で取り組めば大丈夫です。
今回提案したいのは、それ以前の大昔の過去問をどう使うか? という点です。
10年以上前の過去問は、問題のジャンルごとに輪切りにして問題集として使うことをおすすめします。
例を出して説明します。
例えば2012~2020の8年分の過去問は普通に解くためにとっておくとします。そしてそれ以前、2005~2012の過去問については、問題のジャンルで輪切りにして学習します。
平面図形の対策をしたければ、2005~2012辺りの年度で平面図形の問題だけを集めて、図形問題だけを連続して練習します。
つまり、2005の大問3(図形)→2006の大問4(図形)→2007の大問7(図形) のように、同じジャンルの問題だけを選んで学習していきます。
利点
過去問は「その学校の傾向に最も近い問題集」です。
平面図形の対策をするにしても「その学校で出やすい形式の平面図形」に力を入れて学習したいです。最も有効な問題集はその学校の過去問です。
学校によっては、古すぎると難易度が変わってしまっていたり、試験時間の変更などで現在とは変わっているところもあります。
しかし問題ひとつひとつを見れば、傾向やクセ、特徴は共通していたりします。
御三家のような難関校になればなるほど出題のクセは強くなります。
「麻布の問題は麻布にしか作れない」と言われるように、特徴のある学校の受験生は類題不足に悩まされます。
それを解消するのが大昔の過去問です。
古すぎると出題傾向が変わっているから効果が薄いと一般に言われますが、見る人が見れば大昔の過去問の中にも現在の出題に通じる問題を見抜くことが出来ます。
開成や麻布は、声の教育者が「〇〇中の算数25年」のような本を出版してくれています。
それ以外の学校でも、中古の赤本を入手したり、四谷大塚のデータベースサイトを利用するなどして大昔の過去問を手に入れることは可能です。
御三家のような超難関校では出題傾向のクセが顕著ですが、それに準ずる立ち位置の学校でももちろん特徴はあります。
例えば「広尾学園の立体切断」や「鴎友の平面図形」など各学校の特徴的な出題をあげればキリがありません。
どの問題をどの時期にどの順番でどのくらいの量解くのか。問題選定も家庭教師の腕の見せ所です。
これからの時期、是非ご家庭でも取り入れてみてください。