ご存じの方も多いかと思いますが『二月の勝者』という漫画がビッグコミックスピリッツで連載されています。
現在単行本が9巻まで発売されています。
中学受験を塾講師の目線から描いた作品です。
漫画内に登場する事例や業界事情があまりにもリアルで……作者の方は3年取材して中学受験のことを調べたとある記事にありましたが、漫画家の方のリサーチ力には脱帽です。初めて読んだ際は、絶対に業界内部の人が描いているとしか思えませんでした。
中学受験の生々しい部分やブラックな所にも踏み込んでいるので、保護者の方も読むと面白いと思います。
さてこの作品に出てくるエピソードの中から、ネタバレにならない程度にひとつ紹介したいと思います。
最新の9巻は作中の時間が10月です。保護者や家庭内の動揺に焦点が当てられたエピソードが中心です。
この中から印象的なセリフをご紹介します。
主人公で塾講師の黒木蔵人が、過去に指導していた生徒の母親について回想して言うセリフです。
「受験期には顔つきさえ違って見えた」
これは同業者なら同意してもらえるのではないでしょうか。
3月や4月頃には笑顔が絶えない素敵なお父様お母様でも、2月が近づくにつれて顔つきが険しくなっていきます。
そして入試が終わり、合格報告でお会いする際には、元の笑顔に戻っているという経験が何度もあります。
家庭教師という仕事はその名の通り家庭の中に一部入り込みます。
生徒を第一志望校に合格させるというのが仕事の目的だとすれば、手段は「勉強を教える」だけに限られません。
保護者の方の相談に乗ることや情報提供をすることも、目標に近づくために必要なことになります。
メンタルケアと言うような大層なことはできませんが、不安の元凶となっている事項についての情報や数字、また算田の意見などをお伝えすることはできます。
6年生のご家庭は、これから段々と追い込みムードになってきます。
塾の先生や家庭教師など、相談できる専門家を見つけておくと心強いです。
5年生のご家庭は、今から信頼できる先生を探しておきましょう。
家庭教師をつけるのならば、親から見ても信頼できる方を。
そうでない場合は、集団塾の先生と顔見知りになっておきましょう。お互いに顔を見て名前がすぐに出る関係の先生を作れると良いです。
本当に困ったことがあった際に、相談しやすい先生がいることは心強いです。