小学生の性格には色々あります。
大人の言う事をよく聞く「素直な子」もいますが、一方で「納得しない限りは絶対に言う事を聞かないぞ」というタイプの子も居ます。
指導依頼のお問い合わせメールをいただいた際に「うちの子は気難しくて……いう事を全然聞かないんです」
というような内容が書かれていることも多々あります。
私たち家庭教師の下には、「ちょっと指導が大変な子」がたくさん集まってきます。
(必然的に、そうしたお子様への指導も慣れています! ご安心ください)
今回の記事は、そうした「ちょっと頑固な子」に指導する際に気を付けておきたいことをまとめました。
自分で考える余地を残す。あまり教えない
頑固なタイプな子には「教えすぎない」指導が有効です。
問題の答えを全部教えるのではなく、導入の考え方や重要なポイントだけを伝えて、後は自分で考えてもらう方法です。
もちろん生徒が解いている際はただ見ているだけではなく、何を考えているのかを読み取るため隣で手元をじっと観察します。
一人では超えられない壁に直面しているのを感じたら、少しだけヒントを出します。
(生徒からはヒントだと思われないくらいの、それとないヒントだとベストです)
最後の一番美味しい所、大事な気づきを得て答えを出す、最も気持ちがいい所は生徒にやってもらいます。
そうして問題が解けると、生徒本人の認識としては「自力で解けた!」と感じられます。
自力で解けたと思えていながら、しかし大切な要素はしっかり身に付いています。
このように指導できると、頑固なタイプの子もストレスなく学んでいけます。
断片的なキーワードだけを伝え、自分でつなぐように促す
上で説明した方法と被るところもあるのですが、断片的なキーワードだけを伝えて、自分で繋いでもらうという方法があります。
例えば「”A型の三角形"で面積比を求めて、そこから"共通の友人"を使えばいけるんんじゃない?」のような感じです。
具体的な計算は何も言わず、方針だけを最小の言葉で伝えます。
この方法を使うためには、生徒と講師の間で用語の共通認識が出来ていることが必要です。
指導する際には、よく使う一連の動作や考え方には必ず名前を付けて、私と生徒の間で同じ言葉で同じ動作を認識できるようにします。
指導回数を重ねるにつれて、生徒に渡すキーワードを段々減らしていきます。
例えば「とりあえずそこの比を出してみたらいい事あるんじゃない?」程度の言い方で全てを察してくれるようになれば成長の証です。
これらの方法は頑固なタイプの子に特に有効な方法ですが、そうでない子への指導でも効果を発揮することがあります。
他人から教わった事よりも自分で気づいたことの方が強く頭に残るものです。
なるべく教えないで教える。これが難しく、しかし大切なところです。
(何を伝えて何を伝えないか、この加減が最も難しく、神経を使う所です)
素直なタイプの子への指導でも、出来るだけ自分で気づいて、論理を繋ぐトレーニングをしてほしいと思っています。
どちらも「生徒の思考状況」と「解法レベル」が分かっていないと使えない
上で紹介した二つの方法ですが、どちらにも共通点があります。
生徒が何を考えていて、どこまで理解していて、どこでつまずいているのかが正確に把握できることが条件です。
そうなんです。指導者側に負担の大きい指導法になります。
解き方や考え方をそのまま説明して良いのならどれだけ楽か……
(それが出来ないのが小学生への指導の面白さであり醍醐味でもあるのですが)
その生徒さんが持っている知識や、思考のクセなどをかなり正確につかんでおかないと出来ない指導方法です。
ですので、指導期間が長くなればなるほど、適切なヒントやキーワードの提示が出来るようになります。
意志が強い子に無理やりいう事を聞かせようとしてもいい結果は表れません。
子供は楽しくなければ吸収しません。
出来るだけその子がストレスなく学べる形式・接し方で指導していくべきだと思います。
お子様へのご指導でお悩みの方の参考になればと思います。