「公式を憶えろ!とにかく暗記だ! 理屈は良い。丸暗記じゃ~」
という旧石器時代の教育方法みたいなものがいまだにまかり通っていたりします。
最終的には公式として暗記したほうが良いものはありますが、かといって原理を分からずに暗記するのは良くありません。
公式を暗記する際には、必ず「どうしてそうなるのか?」という証明をするようにしています。
算田は指導の中で「公式を暗記しろ」という事はめったにありません。中学受験の全単元を通して2つくらいです。
そんな中で、数少ない暗記したほうが良い公式の一つに「円すいの中心角の公式」があります。
半径/母線=中心角/360° というものです。
これは式を一見しただけでは納得しづらいでしょう。
「え?ほんとにそうなるの?ふーん……(不満げ)」という全国の受験生の声が聞こえてきそうです。
集団塾でこの公式が成り立つ根拠まで解説されていることは稀です。
この円すいの中心角の公式が、どうして成立するのかを解説していきます。
下の画像をご覧ください。
底面の半径が2㎝、母線(円すいのナナメのところ)が12㎝の円すいを例にとります。
まずは一般に「公式」とされているものを確認しましょう。
この円すいを展開した際の中心角は、公式により60°と求められます。
これがなぜか???
下の画像で証明していきます。
このように、底面の円周の長さと、側面の弧の長さが等しいことを利用して証明します。
式を変形していくと、公式の通り、半径/母線で中心角が求められることが分かります。
生徒にこの説明をすると「なるほどー」と納得してくれることが多いです。
人間は不思議なもので、一度納得すると暗記もやりやすくなります。
意味の分からない式を暗記するのではなく、理由が分かったうえで暗記することが大切です。
結果は同じようですが、過程の証明を見たことがあるかどうかで後々大きな差が出ます。
そして、大手塾の授業において、公式の説明は必ずなされますが、その証明までやってくれるかどうかは先生によるようです。
算田の生徒を見ている限り、塾では証明まではやらない先生の方が多い印象です。
算田は日ごろから「中学受験で完全暗記したほうが良い公式は2つ!」と言っています。
一つはこの「円すいの中心角」です。(ちなみにもう一つは等差数列の和の公式です。)
そのどちらも、公式の意味までしっかり理解できるように指導します。
少し時間はかかりますが、ここで手を抜くと後々大きな差になるので、必ず理由まで解説しています。
皆様のお子様が算数の勉強をする際に「解き方をおぼえなきゃ」であったり「解き方を忘れてしまった」という言葉をよく口にしているようでしたら要注意です。
算数学習を暗記科目だと勘違いしてしまっている可能性があります。
もし心当たりのある方がいらっしゃいましたら、早急に手を打つようにしましょう。
算田に相談していただいても大丈夫です。メール又はLINE、問い合わせフォームにメッセージ頂きましたら、少しお時間いただきますが、お返事いたします。
まずは円すいの中心角の公式をその根本原理まで含めて理解できているか、確認してみてください!