考えたって分かるはずがない囲碁の問題
考えるためには基準となる知識が必要である。
そんな内容で記事を書いていきます。
突然ですがこちらの画像をご覧ください。
黒番です。次の一手はA~Cのうち、どこに打つべきでしょうか?
A右辺白に5線にカタをついていく手
B左下の白一目を取る手
C左辺白にツケて荒らしにいく手
分かりましたでしょうか? 正解はAです。
……ここからが本題です。
この問題、考えれば答えが出るでしょうか?
ほとんどの方は「こんなもん考えたって何も分かんねぇよ!!!」と叫びたくなったことでしょう。
もし囲碁の心得が少しだけある方でしたら、Bだけは絶対にありえないことは分かったかもしれません。
(ちなみにこちらは 2016年3月10日に行われた、AlphaGo対李世ドル9段の棋譜です。Google社のAIと元世界チャンピオンの5番勝負の2局目です。黒番のAlphaGoが中押し勝ちをおさめました。写真Aのカタをつく手が人間の常識にない好手だと当時話題になりました。)
さてさて、これは「いくら考えても判断基準がなければ考えようがない」問題の例として出題しました。
中学受験においても、これに近い状況になっていることがあるでしょう。
例えば算数の応用問題で全く手が動かないとき。
例えば国語の問題を何となくセンスで解いて何となく間違えているとき。
どのように考えたらよいのか分からないので、適当にやって「あーまちがえたー」一喜一憂することになります。
自分で考えられるようになるためには、少なくとも次の2ステップが必要です。
①何を考えればよいのかが分かる
②実際にトレーニングを重ねて、考える練習を積む
②の練習する段階は自習や問題演習でカバーできますが、①は誰かに教えてもらわないと非常に厳しいです。
冒頭の囲碁の問題を、1人で何時間考えても答えが出ないのと同じです。
一方で初心者がいきなりこの問題を勉強したとしても「この問題の答えはAなのか」くらいしか学べません。
その教科が「苦手」な状態から「平均点」まで引き上げるには、まず考えるための基準である基礎知識を入れないといけません。
算数の場合
家庭学習で対処する場合、現在塾で学習している内容から大きく立ち戻って勉強するべきです。
例えば6年生で算数が苦手、比の問題で苦戦している場合、苦手の種は「割合」の単元に埋まっていることが多いです。
他にも「速さと比」で苦戦している場合には、「比」と「速さ」のように分解して別々に学習しなおした方が、結果近道だったりします。急がば回れです。
目安として、現在困っている箇所から半年~1年前に塾でやった関連する単元から復習してみると良いと思います。
家庭教師や個別指導をお願いする場合は、どこまで基礎に立ち返って指導したほうが良いかをよく先生と相談しましょう。
ただ塾の宿題の質問に答えてもらうだけではなく、前の学年の内容に立ち返った指導をお願いしたほうが良いでしょう。
国語の場合
国語が苦手な場合は、算数よりも対処が難しいのではないかと思っています。
というのも、大手集団塾の国語の授業では、「読み方」や「解き方」の指導があまりなされていないからです。
(もちろん中にはしっかり技術をもって指導なさっている先生もいらっしゃいますが、比率的に少ないです)
何となく読んで、結果論の解説を聞いて、何となく納得した気になって帰ってくる……
それをいくら続けていても、劇的な改善は見込めません。
何も分からず囲碁の問題を解き続けているようなものです。
最初にしっかり知識と技術をインプットすべきです。
文章を読むときは何を気を付けて読めばいいのか? 設問に答えるときは何に気を付けて読めばいいのか?そんな基礎の基礎の動作をしっかり丁寧に指導するプロの国語の先生がいらっしゃいます。
職人のような先生で、ご自身での情報発信などには興味がないようですが、指導力は本物です。
算田の知り合いの先生の中でも、心から信頼できる先生達です。
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