指導が難しいと思う生徒の特長について書いていきます。
ここでいう「指導が難しい」とはネガティブな意味ではなく、「指導法を工夫する必要があってやりがいがある」という意味です。
テストの成績は上位。でも「なぜそうなるのか?」を追求するタイプ
算数の成績は上位で、理解力も高い生徒です。
しかし、問題の解き方を教わるだけでは納得いかず「どうしてそうなるのか?」というところまで納得できないと満足しないタイプです。
念のため補足しますと、この特性は勉強に向いている良いタイプです。物事の原因を自分で考える力を持っています。
このタイプのお子様が良く言う言葉としては「その方法で解けるのは分かったけど、どうして解けるのか分からない」です。
基本的に算数の成績は良いので、その子なりの理解の形というものが既に形成されています。
既にその子の中で、算数の知識がある程度体系的に構築されている状態です。
その子が現段階で持っている知識・理解の外にある解法が入ってくると、「それはつまり何を目的にして何をやっているのか?」とメタな思考を始めます。
「今習った新しい解き方は、自分が理解してきた算数の体系のどこに位置するのか」というような疑問を持っていることが多いように感じます。
当然小学生なのでこんな言葉では説明しませんし、本人にもそんな自覚はないと思います。
ただ、算田が一般的な説明・解説をした後に「うん……」 のように微妙な返事をした時には、解説の角度を変えることが必要になります。
今まで理解してきた解き方と一見異なるものが出てきた時。
その解き方は何なのか!?
今までの解き方とは違う状況で使うべきものなのか、どちらでも良いのか。違うとしたら何が違うのか。どこが共通しているのか。
これは良い疑問です。複数の単元や解法をつなぎ合わせて理解しようという態度が自然と身に付いている生徒の特徴です。
ここで講師側はどう説明しようかと色々工夫する必要があります。
講師側は普段自分で問題を解く際に無意識に解法選択をしています。こういう問題だったらこの解き方。こっちの問題だったらこの解き方が便利。
長年のパターン認識で、自然と適した解法を選べるようになっています。
でも、その無意識の選択における判断基準を言語化して子供に伝えないといけません。
これは難しく、これを出来る人が少ないので「プロ家庭教師」という仕事が成り立っています。
ということでまとめると、指導に際して特に工夫が必要な生徒の特徴は「算数の成績が良く、質問の内容の次元が高い生徒」です。
やりがいがある生徒と言い換えてもいいかもしれません。
普通の説明では納得せず、より高度な説明を求める。そんなお子様をお持ちでしたら、それに応えてくれる良い先生を探してあげてください!