算数の学習の中で「少しひねった問題になると解けなくなる」や「解法を暗記してしまっているようで、ちゃんと理解できているか不安」ということをよく耳にします。
こうした状況の改善策と、オセロ(リバーシ)の上達方法を関連させて今回の記事にします。
算田は高校生の頃、オセロ部の友人に10分だけオセロを教えてもらったことがあります。
それだけで、以降一般人にはほとんど負けなくなりました。(さすがに本格的にオセロをやっている人には勝てません!)
たった10分の指導で急激に強くなりました。さて、何を教えてもらったのでしょうか。
決して「この場面ではこの手が良い」のような定石を教わったわけではありません。オセロにも定石はありますが、それはとても覚えきれません。
私が教わったのは、目的意識です。
「序盤は盤の中心が自分の色になるように置くと良い」という一言だけです。
オセロのルールはご存じの方が多いかと思いますが、8×8の64マスの盤に交互に石を置いていき、最終的に自分の色の個数が多い方が勝ちです。
そのため、一般の方の意識としては「たくさんひっくり返した方が有利」だと思っています。
しかしここが違うのだそうです。序盤は個数ではなく、いかに中心付近を自分の色にできているかを競うのだそうです。(中心が自分の色になっている方が、終盤で打てる場所の選択肢が増えるのだそうです。詳細は省略します!)
高校生の頃にたった10分、この「ゲームの目的意識」を教わっただけで急激に上達しました。
個々の具体的な手段を教わったわけではなく、ゲーム全体を通しての目的意識です。
何を考えればいいのかという考え方を教わったことで、オセロというゲームが非常に楽しくなりました。ただひっくり返す枚数だけを考えていた頃とは、明らかに考える量が増えており、ゲームとしての魅力が増しました。
算数の学習においても同じことが言えると思います。
指導者が必ず教えるべきは「目的意識」です。その問題を解く際に、何をやりたいのか。どこの数値を求めたいのか。何が分からなくて困っているのか。
まず目的意識が先に立ち、その後で具体的解法・手段の習得があります。
目的を意識することなく解法を覚えようとすると「解けるけどなんかよく分からない」や「時間が経つと解けなくなる」といった状態になりがちです。
オセロであれば「この局面はこの手が最善手」をひたすら暗記したとしても、しばらくしたら忘れてしまいますし、未知の局面になったら分からなくなります。
それよりは「中心付近に自分の石を」という根本の目的を知っていたほうが良い手が打てる可能性が高くなります。
目的意識の重要性は、特に平面図形の問題で顕著です。
図形問題は最終的なゴールを意識して、そこから逆算していかないと解法が思いつきません。
テキストの解説を読んでいて「なんで突然その発想になるの!? それで解けるのは分かるけど、自分で気づける気がしない」となった経験はありませんか? その原因は、ゴールから逆算するという思考法にあります。
具体的な例は、今度のブログ記事で説明したいと思います。