目次
小学生はよくミスをします。
大人からすると「なんでこんなミスを!」と言いたくなりますよね。
それでクラス分けテストで落ちてしまった時などめまいがするかと思います。
それでも、ミスを減らす練習はしなくても良い! というテーマの記事になります。
結論としては
・6年生の後半になってからミス消しに取り組めば十分間に合う。
・むしろ早い段階からミスに気を取られすぎるとかえって成長を阻害する。
そんな内容になります。
4年5年6年前半のミスはあまり気にしなくて良い
理由① 委縮して小さくまとまりすぎてしまう
ミスを減らせば点数は上がります。それは正しいです。
ただ、4年生や5年生のあいだからミスを減らすことに力を入れすぎると、6年生の2月時点での到達点が低くなってしまいます。
4年生や5年生のあいだは、自分の実力よりも少し難しい問題にも果敢に挑戦し、自分の幅を広げて欲しいのです。
ミスを減らす作業とは例えるなら、狭い農地で土壌改良をするようなものです。限られた問題を確実に得点する作戦です。
一方でミスが多いが難問も正解するタイプの子は、土地が広いが肥料が与えられていないような感じです。幅広い問題で正解できますが、効率が良くありません。
さて、最終的に6年生の2月で多くの果実を実らせるのはどちらのタイプでしょうか?
狭い農地で土壌改良をして効率よく点数を取っていたタイプは、どこかで頭打ちになります。どれだけ肥料を与えようと限界があります。
一方で広い土地で非効率に乱獲していたタイプは、6年生後半になってから土壌改良をすれば収穫量は激増します。
土地の広さはすぐには広げられませんが、肥料を撒く事なら後でも出来ます。
算数も同じです。
解ける問題の幅を広げるのは急には出来ません。4年生・5年生のあいだから少しずつ自分の限界を広げてやっていく事が必要です。
ミスを減らすことは6年生の後半でも可能です。
ミスを減らすことは、つまり「慎重に取り組む」ことであり、これは自分の限界を超えた難問を突破する際に使う思考法とは正反対です。
解けなかったレベルの問題を解けるようにする際にはミスなど気にしている場合ではありません。脳のエンジンをフル回転で、事故のリスクも承知で突っ走るしかありません。
理由② 楽しくない
お子様の性格にもよるかもしれませんが、ミスしないように慎重に取り組むことは、楽しさが少ないと思います。
それよりは、果敢に難問に挑戦して「やったー!解けたー!」とやっている方が、本能的に楽しいのではないかと思います。
これはふざけて言っている訳ではありません。
特に4年・5年くらいでは「楽しさ」や「解く快感」は大事にしていきたいです。
中学受験の勉強は長期戦です。本能的な楽しさが全くなければ途中で息切れしてしまいます。
もしもお子様が難しい問題をといて「いえ~い!できたぜ~!」と踊るようなタイプの子なのであれば、そのまま調子に乗せておいて良いと思います。
間違っても「こっちの基本問題でケアレスミスして! 応用問題は良いから基本問題を繰り返しなさい!」なんて言わないで欲しいのです。
(ミスを減らした方が点数は伸びます。点数は伸びるのですが……あまりミス対策ばかりやりすぎないようにしましょう)
③成長の段階で自然と減るミスもある
小学生は成長の途上です。
身体能力がまだ定まっていないお子様もたくさんいます。
例えば「まっすぐ線を引く」や「小さい文字をかく」という事が苦手な子もいます。
そうした子は自分の描いた字の読み間違いなどのミスをすることが多いでしょう。
こうした不得意は、身体が成長するにつれて解消されるものもあります。
4年生や5年生の前半から、こうした点の克服に時間をかけるのが果たして効果的なのかは疑問が残ります。
もちろん最低限簡単に身に付けられるテクニックは教えてあげるべきです。
少しの取り組みで大きな変化が出る事もあります。
ただ、文字や式を綺麗に書くあまり思考スピードに制限がかかってしまっては元も子もありません。
6年生になっても不得意が消えないようなら、受験に向けて読み方や書き方のテクニックを指導しますが、早い段階(4年生など)は大らかな目で見ていても良いのではないかと思います。
まとめ モチベーションとの天秤
どの段階でミス対策をするのかは難しい所です。
長期的な視点で言えば、ミスは大目に見て難問を解き切る力を付けた方が成長します。
一方で、テストの点数が上がらないともモチベーションが下がってしまいます。
ミスの最も悪い所は「勉強した成果がテストに反映されなくなってしまう」という点です。
「せっかく勉強したのに成績が上がらない……」となってしまうようなら、ミスを減らす努力をしてやる気を回復させるべきです。
この天秤が難しく、いつも生徒の様子を見ながら調整しています。
ミスを減らすことが一概に良いとも言えず、むしろ減らさないという考え方もある! という視点があることをお伝えしたくこの記事を書きました。
参考になれば幸いです!