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普段から途中式を書く必要はない!【熊野孝哉著「難関校合格への62の戦略」紹介】

「普段から途中式を書く必要はない」

なかなか衝撃的なタイトルです。
親や講師からすると、途中式をきちんと書いて解かなければならないように思ってしまいがちです。
一見正しいように思えますが、入試で難関校への合格を果たしている生徒程、普段は途中式を書かない傾向がある。

そのように著者の熊野孝哉さんは書いています。
こちらのタイトルは「難関校合格への62の戦略」(YELL出版)の中にある戦略の一つです。

著者の熊野先生は多数の問題集も出版されています。(算田も愛用しています)

こちらの「難関校合格への62の戦略」は、一般に常識だと思われていることや、強迫観念のように信じられている事とは正反対の主張がいくつもあります。
62の戦略の中から算田の視点で特に「それな!」と思うものを取り上げて紹介します。
勝手に五つの分類「強迫観念からの解放」「常識の逆」「精神の安定」「まぁそうだよね」に分けて紹介します。

視野が狭くなりがちな受験産業に一石を投じるような内容が多くなっています。
是非ご覧ください。

強迫観念からの解放 普段から途中式を書く必要はない

まずは列挙して紹介します。

14数学の知識を無理に身に付ける必要はない
18模範解答と同じ解法でなくともよい
19計算練習を毎日行う必要はない
20普段から途中式を書く必要はない
34合格するために「見栄えの良い答案は必要ない

どうでしょうか。
一つくらいはドキッとする言葉があったのではないでしょうか?

受験産業に限らず、不安を煽るためには「〇〇でなければならない」のような言い方をします

「〇歳までに発語が無いと遅れている」や「TOEIC〇〇〇点以下では就職できない」など……
こうしなければならない! というストイックな言説は強烈な印象をもって不安な状況の人の心に刺さります。
一度こうしたストイックな言説にとらわれると、ますますその思想を強めてしまう傾向にあると思います。
特別な情報を知ったからにはそれを守らなくては!と、より強く行動を縛られてしまいます。

しかし冷静になって考えると、最初の「〇〇しなければならない」という考えの根拠が薄弱なことに気づくかもしれません。
各種セミナーや広告媒体で「△△中学合格のためには、〇〇しないといけない!」と言うように扇動します。

しかし、そんなことないよね? むしろしない方が良いよ? と冷静に引き戻してくれるような「戦略」が本書の中で多数主張されています。

受験界では神話のように言われている「式をきちんと書いた方がよい」についても、難関校受験を目指す場合時として逆効果になるとして注意を促しています。
途中式が有効な場合もありますが、絶対ではない。 柔軟に対応しないといけませんね。

常識の逆 マンスリーテストの対策を行わない

1マンスリーテストの対策を行わない
15図形センスは合否の決め手になりにくい
24苦手分野の自己申告は当てにならない
37高得点を目指すのは弱者の戦略
50海陽は最高の入試体験になる
51的確な釈明が出来る受験生は強い
52直前期は情報と距離を取る
61先取学習を優先すると塾の成績は下がる

第一の「戦略」からして一般的な常識の逆を行っているでしょう。
マンスリーテスト(月ごとの組分けテスト)の対策をしないと言っています。

理由は明確で、塾のテストでは典型問題が多く出題されるのに対して、難関校の入試では思考系の応用問題が中心だからです。
塾のテストは限られた試験時間で授業の理解度を確認するために作られています。
幅広い生徒に向けて同じ問題を解かせるため、問題の難易度が基本の知識系問題に偏っている傾向があります。

クラス分けテストで最も結果を出そうとするならば、取るべき戦略は「典型問題をミスなく短時間で解く」になります。
しかしこれは難関校への合格を目指す場合に適した戦略ではない。
これが著者の意見です。

算田も同意です。しかし一部付け加えたいことがります。
難関校を目指す場合だけでなく、成績下位の子にとってもクラス分けテストの結果を求めすぎない方が良いという事です。
学年が上がれば上がるほど、テストの出題内容とその子にとっての課題が乖離してきます。

塾の組分けテストの内容は、成績下位生にとっては難しすぎます
6年生であったとしても、本来その子が勉強するべき内容は5年生の内容の復習だったりします。
例えば基本の相似形の考え方が分かっていない子に対して、テストに出るからと言う理由で相似の複合問題の解き方を暗記させたとしても無意味です。

まとめると「塾のクラス分けテストの成績を求めすぎるのは良くない」です。

精神の安定 「普通に出来た」ことを評価する

7早い時期に失敗への免疫を付ける
30「何問解けたか」ではなく「解ける問題が何問増えたか」を意識する
31苦手分野を得意分野に変える必要はない
41過去問は疲れていない時に行う
48「普通に出来た」ことを評価する

中学受験生の保護者にはよくある状態として
・本当は良い状態にもかかわらず、マイナスに目が行き過ぎて悲観的になっている
・悪い所ばかりが目について良い所が見えなくなっている

があります。
テストや問題集で「何問解けたか」という結果に注目しがちですが、真に注目すべきは増加数です。
つまり「解けなかった問題が何問解けるようになったか」です。

5問解いて5問正解するよりも、5問解いて正解は2問だけでも、間違えた3問の解説を読んで理解できたならば、後者の方が学習としての価値は高いという事になります。
日々のテストで短期的な結果を突き付けられると、知らず知らずのうちに自分の身の回り半径5mくらいしか見えなくなってしまいますが、目指すべき入試は遥か遠くの山だったりします。

小さな出来不出来に心を悩ませがちな受験勉強ですが、一旦深呼吸して広い視野でみることが必要なのではないでしょうか?
そんな気づきを与えてくれます。

まぁそうだよね 伸び悩みの多くは量をこなせていないことに原因がある

25伸び悩みの多くは量をこなせていないことに原因がある
33ミスが許されない場面では1.5~2倍の時間をかける
40受験校選びで迷ったら早めに過去問を解いてみる
44単発ではなく複数回の結果で判断する
47無自覚に「不利な土俵」を選んでしまう受験生が多い

受験指導の専門家からすると「まぁそうだよね」という内容を火の玉ストレートで主張しています。
伸び悩みの多くは量をこなせていないことに原因がある。

その通り!全くその通り。
元の素質が良い受験生が伸び悩んでいる場合、原因は量の不足であることがほとんどです。
吸水力バツグンのスポンジを持っているのに、そもそも水の量が足りていない状態です。

こうした当たり前の事を当たり前に主張するのは非常に難しいです。
熊野先生は、ご自身の指導した生徒の勉強量と成績の推移のデータを根拠としてこの説を主張しています。

当たり前の事を当たり前に主張する書籍は多くありません。
「〇〇だけすれば偏差値20アップ間違いなし!」のような書籍の方がセンセーショナルで売れ行きは良くなるでしょう。

ダイエット本で「食事制限と運動をすれば痩せる!」と書くよりも「毎日納豆を食べるだけで痩せる!」と書いた方が売れ行きが良くなるのと同じです。
正論をそのまま主張しても、書籍としての売れ行きは伸びないのです。

そんな中で小細工なしのど真ん中ストレート「量が足りない」という戦略は、流石の一言です。

まとめ 無責任な煽り情報に踊らされないように

おそらく
個人的な偏見ですが、健康美容・恋愛結婚・子育て教育は不安を煽るだけの粗悪な情報が跋扈しやすい業界です。

効果の不明な健康食品、代替医療、幼児教育など……

共通点としては人々が不安を感じやすく、かつ何が正解なのか示しにくい領域という事でしょう。
「病気が治る水」と同レベルの受験情報も世の中には溢れています。

そんなことに踊らされないように。
何が必要なのか、どうするのが受験生の成長にとってプラスなのか。

そんなことを考えるきっかけになる書籍でした。

 

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