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指導法

割合とは何か?「ちょっと」とか「いっぱい」を数値化したもの

今回は「割合とは何か」というテーマで書いていきます。

そもそも割合って何なのでしょうか。
教科書的な定期でしたら「比べられる数÷元にする数」ですが、正直何言っているのか分からなくないでしょうか?

もっと根本までさかのぼって、割合という概念はなぜ生み出されたのかを考えていきます。
なぜそんなことをするのかというと、割合でつまずいてしまう子の中には「なんでそんなことを勉強しなくてはならないのか意味が分からない」となってしまい、興味が持てなくなってしまう子がいるのです。

勉強することがどんな役に立つのかという目的意識を重視する子です。
素直なタイプであれば「ここを勉強しなさい!」と言っただけでやってくれるのですが、そうではないタイプの子も居ます。

そんな子には、割合の学習が何の役に立つのか、また何を目的として割合という概念がこの世に存在しているのかと言ったところも説明してあげることが必要になります。
指導側からするて手間がかかるので大変ですが、学習効率の面からは最初に時間をかけて説明しておいた方が良い所です。

さて早速結論から書きますと、割合とは「ちょっと」や「いっぱい」といった言葉を数値化したものだと考えています。
具体例を出してみましょう。

問題:「アイス二個ちょうだい!」と言われました。どんな気持ちですか?

考えていきましょう。

(1)アイスボックスの場合

アイスボックスは森永製菓から発売されている小さな氷が30個~40個入っているアイスです。
「40個中の2個なら、そんなちょっとくらい全然いいよ」
と思うのではないでしょうか

(2)ピノの場合

ピノは森永乳業から発売されている、6個入りのアイスです。
「6個中2個か……かなりいっぱいもっていくな。ぐぬぬ……嫌だ……」
となるのではないでしょうか

(3)雪見大福の場合

雪見大福はロッテから発売されている、2個入りのアイスです。
「2個中2個よこせだと!?全部じゃないか! 絶対に嫌だ!ガルルルルル……」
となるでしょう。もはやケンカです。

「二個」をどのくらい多いと感じるかを数値化しよう

3つの事例で、ちょうだいと言われているアイスの個数は全て2個なのに、嫌な気持ちには差がありました。
日常の感覚的に理解できる話ですが、これを数値化してみましょう。

アイスボックスは「40個中2個」でしたので、割合は1/20です。
ピノの場合は「6個中2個」でしたので、割合は1/3です。
雪見大福の場合は「2個中2個」でしたので、割合は1です。

アイスボックスの場合の「ちょっと」とは割合で言うと1/20であり、ピノの場合の「いっぱい」は割合で言うと1/3です。
このように、生活の上では「ピノを2個も持っていくなんて、そんなにいっぱいはあげられないよ!」となりますが、「いっぱい」は人によって感覚が異なります。
それを数値化して言うと「ピノを2個ももっていくなんて、そんな1/3もあげられないよ!」となります。これならば人による感覚の差異はなくなります。

きっとこんな目的で割合は発明されたのだと思っています。
こんなことを伝えてあげると、俄然割合に興味を持って勉強しようという気になるタイプの子がいますので、ちょっと時間はかかりますが丁寧に導入しています。
あ、「ちょっと」では不正確ですね。割合で言うと、1回の授業時間の1/6くらいを使って説明します(笑)

【おまけ】分数だと日常使いに不便。生活では%や割で表現する

日常生活で「アイスボックスを2個か。1/20ならまぁいいよ」なんて分数を使うのは疲れますよね。
そんなときに登場するのが%や割です。

「1/20」又は「0.05」という代わりに「5%」と言った方が、日常生活では便利です。

分数や小数で割合を表す方法が分かっていれば、そこから%や割への移行は比較的楽な子が多いです。
まずは分数や小数で割合を表す方法をしっかり身に付けましょう。
予習シリーズに換算すると、4年下に掲載されている内容です。ここがしっかりできていれば、5年上の割合での苦労が軽くなります。

割合で苦労しているお子様は、是非割合の本質的意味の理解を

5年生の割合で苦労している場合は、4年の割合単元に立ち戻って勉強してみると良いかもしれません。
四谷大塚の予習シリーズでは、割合を本格的に学習するのは5年の上ですが、4年の下でも登場しています。
ここから復習してみると良いです。

「意味」を納得することで学習が前に進むことも

生徒の理解のタイプは個人ごとにそれぞれです。
成績が良くて意味も理解したいタイプ、成績が良くて意味は理解しなくても気にしないタイプ、成績は悪くて意味は理解しなくても気にしないタイプ、など……
その中でも「成績が悪いけど意味を理解したいタイプ」が一番苦労します。

意味を理解したいという事は良い事です。学びの本質です。
しかし、往々にして集団塾の下位クラスでは意味の理解を省略した授業がなされます。
「下位クラスだから本質的な意味の理解は難しいよね。だからとりあえず暗記しようね」と言った感じです。失礼な話ですが、でも実態としてその傾向はあるでしょう。

そういった指導である程度まで伸ばせる子も居ますが、全く合わないタイプの子も居ます。
そんな子には、根気強く意味や目的を説いてあげることが有効なのではないか。
そう思ったので今回の記事を書きました。

ご参考になれば幸いです!

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