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塾業界・家庭教師業界

合格可能性は非常に低いです。と正直に言える講師は居るのだろうか?

中学受験をするにあたって、6年生になると気になるのが「合格可能性」です。
合格可能性が100%という事はないのは分かっているが、実際のところどのくらいの手ごたえなのだろうか?
合格可能性は、どのように判断すればよいのか?

そんな時、誰に相談するでしょうか。
ほとんどの場合は、普段からお子様を見てくれている塾の先生に相談するでしょう。
場合によっては家庭教師や個別塾の講師に相談することもあるでしょう。

さて、これらの先生方に相談したときのことを想像してみてください。
もし成績が十分に良ければ「大丈夫です。このまま頑張りましょう!」と言われるでしょうし
もし成績が少し足りないのであれば「これから頑張れば十分に可能性はあります。頑張りましょう!」と言われるでしょう。

では、もし仮に、実は合格の可能性が著しく低く、志望校の変更をした方が良いというケースでは何と言われるでしょうか?
そんな場合でも「厳しいです」とはなかなか言えないのではないか。
内心ではかなり厳しいと思っていても、それを保護者には正直に言えない事情があるのではないか。

そんな内容の記事です。

「無理です」と言えない事情

事情1 退塾されたくない

前提として、塾が最も恐れるのは生徒が2月に不合格になることではなく、退塾してしまうことです。
この前提のもとに考えていくと……

「先生!うちの太郎、開成中学に合格できる可能性はありますか?」(5年夏。四谷偏差値50台前半)
「うーん……正直かなり厳しいでしょうね。志望校の変更も視野に入れて、学校見学等行かれた方が良いかと思います」
「ムキー! うちの子の可能性を信じてくれないなんて! ここの塾に居たら合格できないわ。早く他の良い塾を探さなきゃ!」

という光景が目に浮かびませんか?
誇張して極端に書きましたが、つまり保護者の掲げる志望校に対して「そこまで到達させるのは難しい」というのは「うちの塾ではそこまで伸ばせない」というメッセージになりかねません。

塾の営業的には、生徒の志望校を否定することは基本的に悪手です。
よくある光景としては

「先生!うちの太郎、開成中学に合格できる可能性はありますか?」
「そうですね……これから頑張らないといけませんが、可能性はゼロではありません。一緒に頑張りましょう!」
「素敵!ここの塾についていく!」

これまた誇張して書きましたが、集団塾の個別面談や、新たに個別指導塾に通わせる際の体験授業などでよくある会話かと思います。

家庭教師の場合も同様です。いや、塾以上に事情が切迫している先生が多いでしょう。
家庭教師の場合は「講師交代」になってしまうと、翌月からの収入が減ってしまいます。
先生自身の生活を考えると、保護者に嫌われるようなことは言えないという先生がほとんどではないでしょうか。

これが事情1です。
営業成績的な事情から、退塾や講師交代を恐れるので、ネガティブなことを伝えづらいのです。

事情2 合格実績を出したい

塾が最も恐れるのは退塾でした。
反対に、塾が常に欲しているのは難関校の合格実績です。

中堅校の合格者数が1名増えても大して影響はありませんが、御三家などの合格者数が何人いるかは、翌年の生徒募集を大きく左右します。
難関校合格者数と塾の指導力はそこまで比例しないと思うのですが、実際問題として集客を大きく左右するという事があります。

そのため塾はどこも難関校の合格実績を出していという気持ちがどこかに働きます。
すると「合格の可能性がそこまで高いわけではないけれども、可能性は残されている」くらいの状況の生徒には、是非難関校を受けてもらいたいという方向に塾の都合が働きます。

乱暴に言えば、合格可能性10%の生徒が10人受験して、1人でも受かれば儲けもの。くらいの気持ちです。

これが事情2です。
難関校の合格実績を出したいので、塾の先生とは正直な可能性の話をするのは難しいです。

利害関係者に相談してもフラットな意見は出てこない

塾関係者に「合格できるでしょうか?」と聞いても、基本的に「大丈夫です!頑張りましょう!」としか返ってきません。
自動車ディーラーに「自動車を買った方が良いでしょうか?」と相談して「今の経済状況なら止めた方が良いのではないでしょうか」というアドバイスが絶対に帰ってこないのと同じです。

利害関係者に相談したところで、相手の利益になるような答えしか返ってきません。
稀に本当に人格者で、塾の売り上げや営業成績を度外視したアドバイスをくれる職人のような先生がいます。
そうした先生が近くに居るならば、大事にしましょう。

一方で、塾の営業成績や合格実績の事ばかり考えている塾関係者がいるもの事実で……
ゆめゆめ乗せられることの無いようにお気を付けください……

塾の先生の意見の、全部が全部嘘だという意味でがありません。
経験豊富な先生たちですので、相談すれば客観的で的確なアドバイスをたくさんくれると思います。
それでも、相談内容が塾の営業や利益に関わることになると……フラットな意見が出てこなくなる可能性がありますので、お気を付けください。

【流し読み推奨】算田のポジショントーク

ここからは算田のポジショントークです。完全に自慢ですので、適当に読み流してください。

事情1について。
ありがたいことに現在多くのご家庭・生徒に恵まれています。
最近も新規で指導のお問い合わせをいただく事もあるのですが、泣く泣く断らざるを得ない状況です。(信頼できる先生を紹介することもあります)
なので自分の良心にウソをついてまで営業活動をしたりはしなくて済むようになっています。
もし相談された事が止めた方が良いと思うものであれば、正直に「おすすめしない」とアドバイスします。

事情2について。
算田は前年度指導していた生徒の合格実績を公表していません。
指導しているご家庭からご質問があった際には伝えていますが、ブログ上で公開して生徒募集の足しにするようなことはしていません。
理由としては、生徒の合格した学校名が講師の指導力を反映するわけではないことが一つ。
二つ目は、仮に「〇〇中学合格」と書いたとしてそれを証明することが出来ないからです。
(まさか自分の営業活動のために、生徒の合格証書の写真を撮らせてもらう訳にも行きません。よしんばご家庭がOKしたとしても、品がない行為なのでやりたくありません)
講師の指導力を判断するためには、実際に体験授業で見ていただくか、又はブログ記事のような形で指導法を公開して読んでいただく他ないと思っています。

事情1,2共に算田には関係がないので、ウソをつく理由がなく、もし本当に可能性が低い場合には出来るだけ率直にご家庭に伝えるようにしています。
(基本的には「絶対無理」というケースはほとんどありません。何とか成績を上げて目的を達成する方向で提案します!成績を上げて目標達成するのが原則です。本当に止めた方が良い例外の時だけストップをかけます。)
以上です!

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