中学入試ではカレンダーに関係する問題が出題されることもあります。
例えば次のような問題です。
問題 ある年の10月2日が金曜日のとき、翌年の2月1日は何曜日でしょうか?
こうした問題、テキストには次のような解説が載っています。
解説:2月1は言い換えると1月32日です。このように次々と言い換えていくと 2/1→1/32→12/62→11/93→10/124 となる。
よって、10月2日から10月124日までは122日後だと分かります。
122÷7=17あまり3 よって金曜日から曜日をみっつずらして、答えは月曜日です。
これは良い解法です。身に付けておくべきです。
しかし受験生の立場で気になるのは「答えが1ズレたらどうしよう?」という心配です。
「~日後」と「~日目」を混同して答えが1ずれてしまったり、植木算的な要素で間違えてしまった経験があるお子様は多いです。
もし受験本番でこの問題が出たらどうしましょう? そんな時に使える、とっておきの方法があります。
それは、書き出しです!
たかが4か月程度です。カレンダーを書き出してしまえば絶対に間違えません。
なんだか格好悪いように思えますが、書き出しだって立派な解法です。
とはいっても全てを書き出すのは時間がかかるので下の図のように省略して書きましょう。
このくらいであればスペース的にも時間的にも負担なく書き出せます。
問題で問われている年月が1年以内程度であれば書き出しは有力な方法になります。
(1年以上になると、さすがに書き出しでは時間がかかりすぎるので計算しないと辛いです)
さて、受験生はこうした力ずくの方法に意外と慣れていない子が多いです。
塾の解説ではきちんと計算する方法で習うので、書き出しの力業で解決してしまおうという発想にならないようです。
数学などの世界では「エレガントな解法」に対して「エレファントな解法」と呼ばれています。
美しいという意味の「エレガント」とのダジャレで、象のように力強く全通り調べ上げて答えを出すような方法を「エレファント」と呼んだりします。
中学受験算数において、特に入試直前期は、確実に答えを出すための泥臭い方法も有効です。
書き出しの方法も練習しないと中々一人では上手にできませんので、これから追い込みの時期の6年生にはこうした「実践的な」解法も教えてあげることが必要です。
お子様が過去問を解く際に、書き出しやあてはめで答えを出していた場合、もちろん正しい解き方を覚えてほしいのは当然ですが、どんな方法であれ答えを出せたことには一定の評価をしてあげて良いと思います!