6年生の後期は本当に忙しくなります。
サピックスはSS(サンデーサピックス)、早稲アカはNNや難プロなど今まで宿題に充てていた日曜日に授業が入る生徒が増加します。
そのうえ過去問も解かなくてはなりません。
例えばサピックスの6年生の場合、通常授業が火曜と木曜。土曜日には土特、日曜日にはSSが入ります。すると塾がなくて勉強できる日は月水金の3日のみとなります。土特の前の朝の時間を入れたとしても、圧倒的に時間が足りなくなります。
すると発生するのが「宿題・課題が終わらない!」という状況です。
通常授業・土特・SSで各教科からそれぞれ復習の課題が出ます。
これらを全てやろうとするとどうしても時間が足りなくなります。
5年生までの「宿題が終わらない」とは状況が異なります。
5年生までの「宿題が終わらない」は、遊んでいる時間だったりダラダラしている時間が必ずあるはずなので、勉強時間を増やすことで解決できました。
しかし6年生の「宿題が終わらない」は本当に終わらないのです。
時間を切り詰めて、隙間時間を活用して、それでもどうやっても終わらない。という状況が発生します。
こんな時どうすればいいのでしょうか?
そもそも集団塾における宿題や課題はどのように出されているのか?
その裏事情も含めて解説していきます。
睡眠不足になっているなら全ての宿題を放棄して寝かせてください
細かい内容に入る前に、まずこれだけは先に書かせてください。
もし現在、お子様が大量の宿題に追われて夜遅くまで勉強し朝早く起きて学校に行き、睡眠不足になっているのなら、すべての宿題を放棄してでも寝かせてください。
過去問も一週間やらなくて良いですし、塾の宿題も終わらなくても構いません。
体調の回復を最優先にしましょう。
「やらない決断」をするのは怖く感じるかもしれませんが、勇気をもって休ませましょう。
翌週からの学習効率を上げるために一週間を休養に充てる決断は時として有効です。
さてここからは、塾からの宿題が多くなる仕組みを解説します。
各教科の先生がそれぞれバラバラに出すので多くなる
大手の塾において、他教科の先生の間での横の連携はそれほどありません。
例えば国語の宿題がどれくらいの量出ているのか、算数の先生はあまり把握していません。
それぞれの教科の先生が理想的な量の宿題を指定するので、必然的に量は増えていきます。
各教科から出ている宿題は「この教科を強化したいのならこのくらいの量を勉強できると理想的ですよ」というメッセージだと解釈するのが良いでしょう。
4教科全てを理想的な分量で行うのは不可能です。家庭の判断で取捨選択する必要があります。
宿題を減らす指示は怖い
すこし裏話的な内容になります。
塾講師や塾組織としての責任問題を考えた際に、宿題は多くなります。
宿題を減らすという判断は非常に怖いのです。
「ここの問題は優先度が下がるからやらなくていいよ」と言って、万が一その問題が入試で出てしまったらどうしようということが頭をよぎってしまうのです。
「先生がやらなくていいといった所から入試が出ました!どうしてくれるんですか!」というような事態を恐れます。
それよりは多めに宿題指定しておいて「宿題に出したところから入試が出たね。でも宿題をやり切れなかったから結果が伴わなかったのも仕方ないね」
というようにズルい逃げ道を用意しておいた方が安全です。
万が一削った部分から入試が出てしまったら……という恐怖からも、塾の先生が指定する宿題は多めになる傾向があります。
終わらなくても気に病まない
宿題が終わらないと不安になります。
「勉強量が不十分なせいで入試がうまくいかなかったらどうしよう……」と思ってしまう気持ちはとても分かります。
確かに、今の生活で遊んでいる時間やテレビを見ている時間があるのなら、その時間を勉強に充てて努力すべきです。
しかし現時点でもう他の時間を削れないほど勉強に時間を充てていて、それでも宿題が終わらないのなら、量が過大である可能性が高いです。
大量の宿題を形式的に終わらせるよりは、量は絞ったとしてもじっくり取り組んだ方が学習効果は高いです。
塾の先生は「この宿題はやらなくていいよ」とはなかなか言ってくれません。
そこのコントロールは、保護者の判断で行う他ありません。
家庭教師や個別指導にお通いなら、そちらの先生に相談してみましょう。
最大限努力をして頑張って、それでも終わらない分については勇気をもって切り捨てましょう!